さて、後半ではCOBITの成熟度モデルについて詳しく見てみる。ITILと関連するCOBITプロセスの例として、変更管理プロセスの成熟度モデルを紹介する。
ここでは、レベル0からレベル3までを示した。これからITILを活用しようと考えているIT組織の成熟度は、一般的にレベル1ないしレベル2あたりになることが多いからである。実際に成熟度モデルによって現在の実力を測る場合には、まずレベルの概念をしっかり押さえてからレベルごとの定義を読み解いてほしい。
重要なのは、例えばレベル1は「変更管理はその場対応で行われている」、レベル2は「変更管理のアプローチに再現性はあるが、体系化されていない」、同様にレベル3は「変更管理プロセスは正式に導入され、順守されつつある」といった概念だということを押えることである。レベルごとの定義にとらわれると、「書いてあることが全部該当しないとこのレベルといえないのか?」とか、「1つでも×がついたら下のレベルなのか?」といったことで議論となってしまいがちなので注意したい。
今回は特に必要ないかもしれないが、このレベル感ではちょっと粗すぎると思われる方のために、成熟度モデルをチェックリスト化して利用する方法を紹介したい。
ここでは、変更管理プロセスの成熟度モデルの記述を個別の文章に分解し、チェックリストのように並べたシートを示した。個別の文章ごとに○×でチェックを付ければ、現在対応できていない項目を課題として抽出することができる。原文を単純に分解しただけでは、表現が不足していたり、肯定文と否定文が混在していたりするため、実際に使用する際には、分解した文章を見直すことが必要となる。
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