CIOには多数のプロジェクトが持ち込まれる。彼はその採否を公平に判断しなければならない。その難題を支援するのがプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの役割である。これが前回「100のプロジェクトに優先順位を付ける」の内容。今回は、プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールが持つ機能をより具体的に取り上げることにしよう。
ポートフォリオとは、幾つもの対象を1つのテーブルに載せて一覧で評価することを指す。プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの機能は、実行するプロジェクトを選択する要求管理のフェイズから実行されたプロジェクトを評価するというライフサイクル全般に働くのだが、CIOにとって最も切実なテーマは、どのプロジェクトを採用するかをいかに公平に判断するかということだろう。それは要求管理フェイズといわれる。そこで、まず、要求管理フェイズにフォーカスしてプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの機能を見ることにしよう。
CIOに上がってくる案件のうち、どれを選択すべきか。数値に基づいて判断することである。数値に基づくということは、案件ごとに点数を付けるということだが、それは容易でないことがCIOやIT部門のスタッフの課題といえるだろう。その点数付けを半ば自動化することがプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの目玉的な機能といえる。
プロジェクトに対する点数付けは、プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールが備えている数十から100を超える指標(評価項目)によって行うことができる。個々の指標は、以下のような評価軸に基づいて設定されている。その評価軸は、プロジェクトの効果を見る上で普遍的な性格のものといえるだろう。
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