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» 2008年09月12日 12時00分 UPDATE

マーケティング入門〜売れる仕組みの作り方〜(5):“最後のひと押し”販促策で、売り上げが決まる! (1/3)

同一のジャンル・価格帯の中で、商品同士の実力が拮抗しているいま、購入を決意させる最後の決め手となるのが販売促進戦略だ。買う気にさせる“情報”が鍵を握る分野でもあるだけに、インターネットやITツールの活用も1つのポイントとなる。

[斉藤孝太,株式会社SIS(ストラテジック インテリジェント システム)]

商品が“同等”のいま、最後の決め手は勢い!?

 第4回「優れた流通基盤が、ヒット商品を生む」では、流通(Place)戦略についてお話しました。今回はいよいよ販売促進(Promotion)戦略についてお話します。さっそく具体的な説明に入りたいところですが、まずは販売促進(Promotion)戦略の意義について解説しておきましょう。

 そもそもマーケティングの目的とは、「企業が提供する商品・サービスを」「企業が設定した価格で」「企業が準備した販売チャネルで」消費者に購入してもらうことです。ただ、この実現にはマーケティングの4Pのうち、商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)の3Pだけでもこと足ります。

 よほどオリジナリティの高い商品に限られますが、3Pだけで売れている商品も実際に存在します。例えば、ほとんど何の販売促進策も実施せず、接客態度が悪い飲食店があるとします。しかし、そのお店でしか味わえないおいしい料理がお手ごろ価格で、しかも自宅・職場の近くのお店で食べられれば、消費者は足を運んでくれるのです。

 とはいえ、こうしたケースはあくまで例外です。飲食店に限らず、消費者自ら商品に関する情報を探し出し、自ら足を運んでまで購入してくれるようなオリジナリティの高い商品を持っている企業は極めて少数です。むろん、新製品の発売当初はそんなこともあるかもしれません。しかし、いかにオリジナリティが高くてもほかの企業にすぐ模倣されてしまい、“放っておいても消費者の方から買いに来る”といった状況は決して長続きしません。そこで必要になるのが、販売促進戦略なのです。

 特に近年、商品の機能、品質がますます均質化し、同一価格帯、同一ジャンル内の商品同士の実力は拮抗しています。これは買い手にとって「商品のスペックだけでは購入する決め手に欠ける」ということでもあります。多くの商品が“同等”である現在、マーケティングの目的達成のためには、販売促進戦略=“最後のひと押し”が極めて重要なテーマとなるのです。

4Pの中で、もっとも柔軟かつ即効性のある戦略

 では、販売促進戦略とは具体的にどのようなものなのでしょうか? 分かりやすくいうと「消費者に、競合商品ではなく、自社商品の購入を決断してもらうためのアクションを起こす」ということです。

 販売促進戦略以外の3Pは、一度決めると容易に変えられません。しかし、こと販売促進に限っては、自社でコントロール可能なことが多く、毎日、毎週、毎月、毎年といった単位で、柔軟に変更・改善することができます。

 それゆえ一度商品が発売されると、日常的なマーケティング活動のほとんどは販売促進のためのプランニングとアクションに費やされます。事実、「マーケティング」という言葉自体、一般的なビジネスの文脈では、「販売促進」のことを指して使われる場合がほとんどです。

 では、具体的な施策として、どんなものがあるのでしょうか? まず一般消費者向けの販売促進策として、マスプロモーションとセールスプロモーションがあります。マスプロモーションとは、消費者への商品の認知拡大・ブランドイメージ訴求を目的に、TV広告、雑誌広告、新聞広告、ラジオ広告、インターネット広告を使って実施するものです。一方のセールスプロモーションは売り上げ向上を目的に、割引キャンペーンを実施するなど、より直接的な方法を採るものです。

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