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» 2004年02月04日 16時53分 UPDATE

話題の「空気入れのいらない自転車」に乗ってみました (1/2)

走っているだけで自転車のタイヤに空気が自動的に入るという、話題の部品「エアハブ」。これを搭載したマシンで、自転車通勤してみた。実機インプレッションの結論は……?

[松尾公也,ITmedia]

 ちょっと前のことだ。ある部品メーカーが作った「エアハブ」という技術が話題になった。走っているだけで空気が自動的に入ってくるので、空気を入れる必要がない、という。最初は、「自転車メーカーが採用してくれるといいのだが」という話だったので、「アイデアはいいんだけど、実機を見るのはずいぶん先のことになるだろうな」と思っていた。ところが1月9日、国内自転車最大手のブリヂストンサイクルが採用し、新製品に組み込んだと発表したのだ。

Photo これがエアハブだ(クリックで拡大)

 この「エアハブ」を開発した会社は、中野鉄工所。同社のホームページにある解説によれば、この技術は「自転車用タイヤ自動空気補充装置」というべきもので、自転車の前輪、後輪の軸にあたる部分(ハブ)の中に、ロータリー式のポンプを内蔵させ、そこで圧縮した空気をそれぞれの自転車チューブに送り込む、という仕組みだ。自転車のチューブにはいくつかの種類があるが、その種類によって、適切な圧力というのが決まっている。その圧力を適切に保つための仕組みも、このエアハブは持っているという。つまり、定期的に乗っていれば、チューブの空気圧は最適の状態に保たれることになる。

 チューブから空気が抜けた状態で走行すると、どういうことになるか? 想定される最大のトラブルは、パンクである。空気圧が適切であれば、問題ないような可能な突起物も、空気が抜けた状態だとざっくり刺さり、シュルシュルと抜けてしまう。家族の自転車がパンクして、自転車修理をお願いしたところ、「空気をちゃんと入れてないからですよ」と、よく言われたものだ。もうひとつ、空気圧が低くなると、タイヤと路面の設置面積が広くなり、その結果、効率的に進むことができない。

 とはいえ、解決方法は単純なものだ。定期的に空気入れを使えばいい。では、なぜ空気入れを使わないか、それは、面倒だからだ。うちは家族5人で自転車は6台。でも、空気を入れるのは、私一人である。多くの家がそんな感じだと思う。PCでも同じだ。家族全員が自分のマシンを持っていても、ネットワーク設定をしたり、メンテナンスをするのは、一人。これもまた、私の担当。

 多くの自転車乗りが、空気はよほどベコベコした状態にならなければ、意識しないし、たいていはパンクしてから気づくのだ。だから、こういう、あまり自覚のない自転車乗りの人たちをターゲットにしたモデルに、このエアハブが最初に搭載されるというのは、理解できる。

 というわけで、この「エアハブ」を搭載した最初のモデル、ブリヂストンサイクルの「サブナードスポーツAH SNS76A」に乗ってみたのだ。

エアハブ搭載車を試運転

 サブナードスポーツAHというモデルの仕様は、こんな感じだ:

  • カテゴリーは「シティスポーツ車」
  • タイヤは27インチ
  • グリップシフターの外装7段変速
  • アルミフレーム
  • 16.9キログラム
  • ダイナモライト前照灯、前カゴ、泥よけ、内蔵ロックを搭載
  • 価格は3万4800円
Photo 編集部に到着した、サブナードスポーツAH
Photo エアハブは、このように車輪に装着されている

 写真を見るとわかるが、スタッガードと呼ばれる、ごくごく標準的に見られる自転車である。MTBやロードとは異なり、日本独自の進化を遂げた街乗り用の「ママチャリ」バリエーションとも言える。クロスバイクの範疇に入るのかは微妙なところだ。エアハブを搭載したモデルは、このサブナードスポーツAH以外に「パワーステンレスキングAH」というものが用意されており、こちらは完全なママチャリ(軽快車)仕様。遠出はせず、買い物中心といった用途に向いたモデルだ。

 エアハブの部分は、ハブから空気入れの口まで、チューブが伸びている。このチューブが写真では少し曲がっているのだが、さわってみると、グニャリと柔らかい。写真で見ただけだと、硬い印象があったので、ちょっと意外だ。

Photo ある程度ゆとりをもたせた設計になっている

 で、実際に乗ってみた。

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