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» 2004年04月13日 04時57分 UPDATE

大画面TV競争の“ダークホース”――「リアプロ」の可能性 (1/2)

日本のリビングにベストサイズな30〜40インチ前後の大画面TV。だがその選択肢は、現在のところ高価なプラズマ/液晶TVしかない。だが、この“薄型TV”たちも1〜2年後には大画面TVの主役ではなくなるかもしれない。そのカギは「リアプロジェクションTV(リアプロ)」が握っている。

[西坂真人,ITmedia]

 先週4月7日から開催していた電子ディスプレイ展(4月8日の記事参照)で、多くの来場者が足を止めていたのがセイコーエプソンのブース。その視線の先には、プラズマTV並みの大画面63.7インチでプラズマTVを凌ぐ高解像度フルハイビジョン(1080p)に対応した“近未来のリビングTV”が参考出展されていた。

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 来場者の多くが自発光のプラズマTVと見間違えるほどの高輝度で高精細な大画面TVの正体は、画面の裏から映像を投射するリアプロジェクションTV(リアプロ)。従来のCRT方式のリアプロは、大画面だが暗くてフォーカスが甘いというイメージだったが、液晶/DLP/LCOSなどを使った近年の「画素方式」は画質が大幅に向上しており、欧米では昨年あたりからリアプロブームが巻き起こっている。

photo 北米で販売されている各社のリアプロ。画質だけでなくデザインもプラズマそっくり

 今年1月のCESでIntelがLCOS方式のリアプロ向けデバイスを発表し、家庭用TV分野への参入を表明したのは記憶に新しい(関連記事参照)。Intelがアピールする「50インチで20万円以下」という普及価格が、近い将来にも現実的に可能な点がリアプロ方式の最大の特徴だ。

 セイコーエプソンTFT事業部TFT設計技術部長の小池啓文氏は「リアプロは非常に小さなデバイスで、画面サイズを自由に変更可能。さまざまなラインアップをそろえる時にも生産設備投資が軽くて済み、コストダウンにつながる。画質面でも、プラズマや液晶など直視型TVに比べても遜色ないレベルになった。しかも価格はプラズマや液晶の半分以下。大画面TVの主流として、リアプロは将来的に有望」と語る。

 セイコーエプソンが参考出展した63.7インチ1080p対応リアプロには、昨年10月に発表した新開発1.3インチ(1920×1080ピクセル)高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)が使われている。同社はこれまでのセットメーカー向けリアプロ用デバイス供給に加えて、今年2月に北米市場でリアプロ「Livingstation」シリーズを販売して家庭用テレビ事業にも本格参入した。Livingstationには0.7インチ(1280×720ピクセル)のHTPS3枚を搭載する。

photo 北米で発売したリアプロ「Livingstation」

 「私はデバイス部隊なのでセット製品の詳細はわからないが、今回開発した新デバイスも、Livingstationのように製品化していくだろう。われわれだけでなく、来年には1080p対応のリアプロが各社から登場する見込み。放送メディアのHD化は世界的な流れ。1080p対応の大画面TVでリアプロがスタンダードになる可能性は高い」(小池氏)

薄型TVは“意外と太め”

 「リアプロの画質がいくら向上したからとはいえ、プラズマ/液晶TVの大きなメリットに“薄型”があるじゃないか」と考えるユーザーも多いことだろう。それに比べてリアプロは場所をとるため日本の家屋事情に合わない、という声をよく聞く。

 だが、実は薄型TVは“意外と太め”なのだ。

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