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新Libretto? いいえ、DVDプレーヤー“ポータロウ”です(2/2 ページ)

» 2004年04月15日 02時14分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 実際の映像も、12ビット/54MHz映像DACなどの効果もあり非常にクリアで高画質。視野角は、上下が若干狭いものの左右はそこそこあって2人ぐらいで見る分にはまったく気にならない。同社ディスプレイらしく黒が引き締まったコントラスト感のある映像は好感が持てる。

photo (c) Lucasfilm Ltd.&TM.All Rights Reserved.

 レビュー前、映像以上に期待していたのがサウンド。本体奥の液晶ディスプレイひんじ部両わきに装備されたブラックフェイスの内蔵スピーカーは、いかにもいい音を聴かせてくれそうだったからだ。機能面では4つの音声設定モード(標準/3D/ヘッドホン用3D/ムービーボイス)を選択できる音場効果機能E.A.M(Enhanced Audio Mode)を採用し、スペック的にも192kHz/24ビット音声DACを使うなど期待が持てる。

photo ブラックフェイスの内蔵スピーカーは、いい音を聴かせてくれそうだったのだが…

 だが、出てきた音はやはりポータブル機の限界を感じさせるものでしかなかった。特に内蔵アンプの出力が弱く、ボリュームを上げると音が割れてしまう。もっともサウンドに不満を持つユーザー向けには本体右側面に光出力端子(ビットストリーム/PCM、φ3.5mm)を備えており、ドルビーデジタル/DTSデジタル出力に対応。市販の光デジタルケーブルを使って外部AVアンプなどと接続し、5.1chサラウンドを楽しむことができる。

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 “気の利いた装備”が、2つ用意されたヘッドホン端子。付属ヘッドホンもちゃんと2つ用意されており、カップルや親子2人が並んでDVDを視聴するときに重宝する。そして、E.A.Mを「ヘッドホン用3D」に設定してヘッドホン経由で聴くサウンドは、本体内蔵スピーカーとは雲泥の差といってもいいほど迫力ある音が楽しめる。つまり、いい音を鳴らす素養は十分に持ち合わせているのだ。本体からの音の悪さは、内蔵スピーカー/アンプにコストダウンのしわ寄せがきているのかもしれない。

photo 付属ヘッドホンも2つ用意

 再生可能なメディアは、DVD-Video(DVD-R対応)/ビデオCD/音楽CDといった基本的なものから、CD-R/RWに記録した音楽データ(MP3/WMA)や静止画データ(JPEG)も利用できるなど、近年のポータブルDVDの流行は押さえている。

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 TVチューナーは内蔵されていないが、5月1日に発売予定の地上アナログ放送用TVチューナーキット(「SD-PTN14」、実売5000円前後)利用すればTV視聴も可能になる。自動車で利用する場合には、車の座席に固定できるキャリングケースとシガーソケットアダプターがセットになったアウトドアキット(「SD-PCK14」、実売2000円前後)が別売りで用意されている。

“普及価格”で広がるAV生活

 今、DVDドライブを内蔵した2スピンドルのノートPCが人気だ。画面サイズも12インチ以上が当たり前で、ディスプレイも高精細タイプで最近は動画対応をうたったものも多い。一方、これまでのポータブルDVDは10万円前後と値が張るものが多く、「プラス数万円でDVDノートPCを買ったほうがお得」と考えるPCユーザーも少なくないだろう。

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 だが「電源ポン」ですぐに映画が観られる“専用機”の便利さは、なにものにもかえがたい。ITmedia編集部にはシャープのポータブルDVD「DV-L80TV」を3年以上愛用している女性(自動車免許ナシ)がいるが、「朝のBGMがわり」から始まり「食事中のテーブル上」「各部屋の掃除中」「帰省先/旅行先でのTVがわり」「仕事場(ワールドカップ期間限定)」と、彼女のさまざまな生活シーンでポータブルDVDがフル稼働している。

 4万円台という普及価格で手に入る「ポータロウ」で、あなたのAV生活が変わるかもしれない。

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