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» 2004年12月03日 17時26分 UPDATE

携帯電話で“サボって”いませんか?――ACCS 久保田氏、中学生の親に語る

ACCSの久保田裕氏は東洋英和女学院中学部にて、インターネットや携帯電話の利用が日常となっている中、子供たちが大量の“情報”とどう接していくべきかを語った。

[渡邊宏,ITmedia]

 東洋英和女学院中学部は、同校へ通学する生徒の保護者を対象にした防犯講演会を開催。そのなかで、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の専務理事 久保田裕氏が、インターネットや携帯電話の利用が日常となっている中、子供たちの周りにもはんらんする“情報”に対し、保護者としてはどのようハンドリングしていくべきかを語った。

 同校では生徒の安全確保に注力した活動を続けており、その一環としてデジタル時代の情報教育にも力を入れている。具体的には、インターネットや携帯電話の利用に潜む危険性を喚起しているほか、情報モラルについても指導を行っている。

photo 東洋英和女学院中学部の教頭 石澤友康氏。高等部課程にある「情報」でもモラル面について指導が行われているそうで、「パソコンの使い方はみんな知っているので、そうしたモラル的な教育が求められている」。

携帯電話で“サボって”いませんか?

photo 自身も中学生の我が子を持つという久保田氏

 「パソコンをリビングにおいたりすれば、子供がインターネットでどのようなことをしているのか、ある程度は親が監視・指導することができました。しかし、携帯電話だとそうはいかない。これからは“情報”への意識を高める必要があります」(久保田氏)

 中学校のクラスを見渡してみても、携帯電話を持っていない方が少数派になるという現在、確かに保護者から見ても子供に携帯電話を持たせれば「いつでも連絡が取れる」、「GPSが付いていればどこにいるか分かる」といった安心感がある。もちろん、子供の側からすれば、「いつでも友達と連絡が取れる」というメリットがあるために、欲しがることがほとんどだ。

photo 携帯電話の利用に潜む危険性のひとつ、「出会い系」。出会い系サイトで起こったトラブルは深刻さを増しており、被害者の低年齢化も進んでいる

 しかし、久保田氏はこうした便利さに流されず、携帯電話が“本当に必要なのか”と、子供に持たせたことで“遭遇しかねない危険性”の両方考慮した上で、「持たせる」「持たせない」「持たせるとしたらどのような配慮をすべきか」を保護者がきちんと考えるべきではないかという。

 実際、久保田氏は我が子に携帯電話は持たせていない。「何かあったらどうやって連絡を取ればいいの?」という問いには「近くの人に借りなさい」と言っているそうだ。

 「借りたらウチの個人情報(電話番号)が漏れるけどいいの?」と食い下がられたそうだが、久保田氏は「緊急時に身の安全と個人情報、どちらを優先するかと言えば身の安全です。そうした、“情報の取捨選択”を考えることが大切なのではないでしょうか」と、自身の経験を交えながら情報との接し方の一例を語った。

 また、インターネット・携帯電話では、そのコミュニケーションツールが文字を中心としたものになることにも注意が必要だと久保田氏は述べる。

 「文字というものは正確なニュアンスが伝わりにくいツール。自分が誰に何を伝えたいかに応じて、電話やメール、直接会うといった手段を考えることを子供に教えなくてはいけないでしょう」

 「大人の側も、忙しいからといって直接会うことを面倒くさがって、携帯電話で“さぼって”いませんか?」(久保田氏)

低年齢だからこそ高まる情報リテラシーの重要性

 「インターネットには何でも情報があるように思われるかもしれませんが、こちらから検索して情報を探す以上、都合の良い情報を探す場所でしかありません。その情報が本当のことであるどうか、判別する能力を養えていないうちから依存してしまうことは危険です」(久保田氏)

 今回のような保護者対象にとどまらず、中高生にも講演や授業を行う久保田氏は、自身の経験をふまえながら、その情報をどう判断し、どう付き合うのかという“情報リテラシー”の重要性を強調する。

 「それに、コミュニケーションの原点はFace to Faceではないでしょうか。“これからは携帯やPCだ”という考えはには違和感を禁じ得ないです。お母さんだけではなく、お父さんも一緒に話して、考えてみて下さい」(久保田氏)

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