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+の老舗、リコーが考える「きれいな」映像年末、このDVDメディアで映像を残す(3)(1/2 ページ)

» 2004年12月15日 00時02分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 「+のメーカー」というイメージの強いリコーだが、今年6月には同社として初めてとなるDVD-Rメディアを市場へ投入、さらには年末向けとしてラインナップを一新し、8倍速記録に対応したDVD-R「色鮮録画」シリーズも投入する。

photo 8倍速記録に対応したDVD-R「色鮮録画」

 「“リコー”というブランドがまだAVコーナーには浸透していないので、パッケージから一新して投入します」。同社が自らそう述べるように、PCの世界ではCD-R/RWの時代から評価を受けているものの、AVの世界では競合他社に比べイメージを確立しているとは言い難い。

 録画用メディアにおける同社の特徴とはなんだろうか。同社 パーソナルマルチメディアカンパニー RMP事業部 技術開発室 商品企画グループ 主任の大石卓生氏に話を聞いた。

photo パーソナルマルチメディアカンパニー RMP事業部 技術開発室 商品企画グループ 主任の大石卓生氏(右)と、パーソナル販売事業部 第一販売室 主任の小野修平氏

録画用メディアメーカーとしてのリコーの強み

 「当社では+を中心に手がけていますが、世界的な市場を見た場合、−よりも+の流通量が多いのです。当社ではその中でも+規格のライセンサーとして、各社と共同して世界基準を作っている、それだけの技術力を持っていることが一番の特徴ですね」

 大石氏は一番の特徴として、メディアの規格策定にも携わるほどという“高い技術力”を挙げる。加えて、同社ではDVD+Rや+RWのメディア製造に必要不可欠なスタンパや記録材料を自社開発しており、結果として「ドライブとの高い互換性」や「高い耐久性」を獲得しているのだという。

 「光学メディアについてはCD-Rの時代からすべてを自社開発で進めており、そのなかで培われた技術やノウハウの積み重ねが、製品の品質を高めています。成形ひとつにしても、成形後にどのような検査を入れるかといった、細かなところにまで独自のノウハウが息づいています。そうした上流工程の管理から出荷時検査に至るまでに、経験が生かされています」(大石氏)

「きれいに撮れる」メディアとは何?

 同社では高い技術力に加えて、CD-Rの時代から続く光ディスク製造に関するノウハウを活用し、高品質なメディアを製造するという。では、「色鮮録画」のように、「キレイ」であるとか「鮮やか」であることをうたう製品を投入するにあたって、どのような技術的な裏付けが存在するのだろうか。

 「実際メディア上に残るのはデジタルデータなので、キレイに残せたかどうかということは、エラーの検出率であったり、ブロックノイズの出現具合であったりというところでしか測れないと思うのです。赤がきれいに発色されるであるとか、緑が鮮やかに発色されるという話は、DVDメディアとしての特製とは関係ない次元の話なので、見ている人が不快な気持ちになってしまうノイズの低減に力を注いでいます」(大石氏)

 DVDは映像をデジタルのデータとして保存するために、「発色」や「鮮やかさ」という部分をメディアに依存しない(そのために各社は他社との差別化に苦労する訳だが……)。そこで、同社では、どれだけ“正確に・高速に”記録できるかという部分に注力しているのだ。

 「実は、DVDのメディア規格は結構マージンがあるので、それがどれだけ正確に記録・再生できるかを考えると、ドライブとの互換性が重要になります。例えばディスクのゆがみですが、ディスクの規格値通りに作れば100%の互換性が得られるかというと、そうでもありません。市場に出回っているドライブを調査しながら、規格値よりも厳しい基準を設け、製造していくことが必要であると考えています」(大石氏)

 同社ではメディアの発売前から各種ドライブとの互換性チェックを行っており、AV用ドライブとPC用ドライブ、それぞれについて記録・再生のチェックを行っている。「詳細は申し上げられないのですが、かなりの数のドライブでチェックを行っています」(大石氏)。そのチェックの中で、「再生は問題ないけれど、記録時に少しでも問題がある」というようなケースが発見された場合には、ドライブメーカーと話し合いの場を持ち、改善を進めていくという。

 「メディア発売前のチェックで、問題が発見された場合には、ドライブメーカーと話し合い、対応をお願いすることもあります。再生に関してはほとんどありませんが、記録に関してそうした“お願

い”をすることが時折あります。まあ、そのドライブの開発時にはなかったメディアですから致し方ない部分もあるのですが……」

 きれいな映像のためには、メディアとしての品質はもちろん、メディアにあった書き込みが行われるかが非常に重要になる。そうした意味でも、同社のこうした姿勢は高く評価されるものだ。

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