サイドフレームの取り付けは実に簡単。上のポールの左右端のキャップ(しつこいけど、これももちろん紙製)を外すと切り込みが入っているので、そこへサイドフレームを差し込んで、スクリーンを挟む。で、キャップを戻す。なしの状態では、見た目にも頼りない感じだったが、サイドスクリーンを取り付けてやると、かなり締まった印象となる。
通常、スクリーンを吊り下げる際は、壁や天上にボルトを打ち込むか、あるいは、いわゆる突っ張りポールなどを2本立てて、そこへぶらさげる。しかし、「ペーパースクリーン」の場合は、1.5リットル入りペットボトル1本よりも軽いので、そんなに大仰な取り付け方はしなくて済む。
今回は文房具屋で売っているチェス画鋲を壁に刺して、そこへぶら下げたが、抜け落ちたりもせず、特に問題は生じなかった。多少の不安はあったが、カーテンレールにもぶら下げられた。上部ポールには組み紐が2本ついているので、重量は2カ所に分散される。
いったん設置してしまえば、貧弱に感じることもなく、ぱっと見では紙でできているとは思えない。ただし、取り扱いはかなり慎重に行う必要がある。普通に巻き取ったり、展開していても、何かノリづけがはがれるような「パリパリ」という音がして、若干の不安を感じる。
しかも、少しでも無理な力が加わると、シワになってしまう。大きめのポスターを巻き取るときに生じるような、シワや小さな折れと同様だ。説明書にも「手荒な扱いは避けてください。破れ・シワ・折れが発生する恐れがあります」と書かれている。
そのため、普段は外しておいて、必要なときだけ壁に吊るして使うという利用法はあまり推奨できない。もちろん、気をつけて扱えば問題はないのだが、一般的な掛図式スクリーンと比べると、耐久性はやはり低いので、いったん吊るしたらずっとそのままにしておいたほうがいいだろう。不要なときは巻き上げておきたいという人は、普通の素材のスプリングローラー式スクリーンなどを選択すべきである。
上下ポールとスクリーンはどうやって結合されているかというと、これがなかなか面白い。スクリーンの上下端に細い棒状の段ボールが貼り付けられており、それがポールの中で引っかかって抜けない仕組みだ。スクリーンを横方向へ引き出せば、ポールと分離できる。つまり、スクリーンだけの交換も可能(スペア部品として販売される予定)。サイドフレームも含め、構造はよく練られている。
サイズが80インチまでなのは紙による製造技術の限界で、今後、100インチ以上の製品化の可能性を検討していくとのこと。しかし、手頃な価格の液晶プロジェクターとの組み合わせで、カジュアルなホームシアターを構築するには、80インチがジャストサイズともいえる。
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