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CES取材で見えてきたデジタルAVの最新トレンド麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(1/4 ページ)

» 2005年01月31日 19時01分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 年明け恒例行事となった「International CES(Consumer Electronics Show)」が、今年も1月6日から米ラスベガスで開催し、さまざまな新製品/新技術/トレンドが紹介された(詳細はCES特集を参照)。

 今年最初のデジタル閻魔帳では、この“世界最大級の家電の祭典”に毎年出向いている麻倉怜士氏に、CES取材で見えてきたデジタルAVの最新トレンドを語ってもらった。

photo インタビューは松下電器産業のショールーム「パナソニックセンター」で実施

――今年のCESは、例年にも増して盛況だったようですね。

麻倉氏 : そうですね。私は、CESが今ほど注目されていなかった1980年代後半と90年代の前半に4回ほど行き、1999年からは毎年取材に出かけています。その中でも今年は人の多さが目立ち、会場内はラッシュアワーのようでした。特に海外からの参加者が前年比で3割アップと増えているようです。プレスルームでさえ席を確保するのに並ばなくてはいけないという状況には閉口しました。それだけ、デジタルAVとコンシューマエレクトロニクスが世界的に注目されているということでしょう。

――1999年から毎年CESに出向いている理由は?

麻倉氏 : 米国でデジタル放送が始まったのが1998年で、米国のデジタル放送がどう展開するのかというのを見極めるために翌年1999年のCESに行きました。それから20世紀と21世紀の変遷を見てきましたが、今年はデジタルAVの世界で“コンバージェンス(融合)”という言葉のリアリティが高まったことを実感しました。CESはすべてのエンターテインメント・リソースが集結する場になったという印象がつよいですね。

――今年のCESのトレンドで一番の注目は?

麻倉氏 : なんといっても、HDTV(High Definition TeleVision)が非常に伸びてきた点でしょう。CES開催前にConsumer Electronics Association(米国家電協会、CEA)が米国家電市場の展望を解説していましたが、CEAもHDTVの伸びの目覚しさを挙げ、今後はHDTVがテレビのメインストリームになると述べています。米国ではFCC(米国連邦通信委員会)がHDTVの普及促進策として、期限を定めて(2005年7月から36インチ以上の100%、2007年7月から13インチ以上の100%に)テレビへのATSCチューナー内蔵の強制導入を決めたことが、市場に大きなインパクトを与えています。

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