「2005 International CES」を主催する米Consumer Electronics Association(米国家電協会、CEA)は1月4日、CES開幕を前に開いた報道向けプレビューイベントで、米国家電市場の展望を解説した。
米国の家電市場は2003、2004年と2年連続で前年比10.7%伸びた(金額ベース)。市場拡大をけん引するのはデジタル機器だ。家電に占めるデジタル製品の割合は年々増え、2004年は57.7%となっている。
「成長を持続するためには、シンプル操作で初心者にも扱いやすい商品を開発する必要がある」と、CEAのジェフ・ジョセフ コミュニケーション担当副社長は話す。
デジタル機器の主役は日本と同様、デジタルTVやDVDレコーダー、デジタルカメラ、携帯型音楽プレーヤーだ。
例えば2004年のデジタルTV出荷台数は730万台。これが今年は3倍近い2025万台に伸びると予測している。HD対応モデルの伸びも目覚しく、「HDTVはTVのメインストリームになりつつある」(ジョセフ副社長)。液晶とプラズマTVを合計した薄型TVの出荷台数は、2004年は300万台弱。2005年には500万台強に伸びる見込みだ。
デジタルカメラやDVカメラは、出荷台数こそ右肩上がりだが低価格化も同時に進んでいるため、金額ベースではそれほど伸びていないのは日本と同様の事情。携帯型音楽プレーヤー市場は2004年、前年比2.3倍の695万台に伸張。「iPodとiTunesが革命を起こした」(ジョセフ副社長)。
一方、日本と異なるトレンドがリアプロジェクション型TVだ。日本メーカーも米国ではリアプロ拡販に力を入れており、2004年の出荷台数は114万台と前年の3倍に増えた。
「TiVo」などのセットトップボックス型デジタルレコーダー・DVRも人気だ。2004年のDVR出荷台数は235万台で、前年比約4倍に急成長した。
CEAアナリストのシーン・ワーゴ氏によると、DVRの急成長の理由は、CATV会社や量販店などのディスカウント作戦による低価格化。「見たい番組を保存して好きな時間に見るといったスタイルが定着しつつあるため、従来の放送が力を失うだろう」(ジョセフ副社長)。
ホームサーバも普及の兆しを見せている。CEAのオンライン調査によると、今後5年間でホームサーバを購入する予定があると答えたのは29%。CESでも家庭内の端末に音楽やビデオを配信するシステムが各社から出展される予定だ。
ジョセフ副社長は、デジタル家電の課題として、分かりやすさと進化を両立させることを挙げる。「デジタル機器はもはや、明日のものではなく、今使えるものだ」(ジョセフ副社長)。デジタル家電人気が高まり、一般ユーザーに浸透するにつれ、さらにシンプルな操作性が求められるとした。
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