ITmedia NEWS >

「ユーザーの要望にすべて応えた」――松下が「DIGA」新製品5機種を発表(2/3 ページ)

» 2005年02月24日 18時16分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 新たに搭載された「ディーガエンジンII」のキーフューチャーは、「バーチャルマルチエンコード方式」と呼ばれる手法を用いて映像に効率良く圧縮をかけること。解像度を維持したまま長時間録画が可能になるという。

 「MPEGエンコードでは、さまざまなパラメータが作用するが、もっとも効率の良い設定を見つけるには、実際にエンコードしてみるのが一番早い。ディーガエンジンでは、パラメータ毎に複数の“バーチャルエンコーダー”を同時に動かし、最適な設定を見つけ出す」(松下電器産業、MS開発グループ/商品開発第1グループの中村和彦グループマネージャー)。

photo ディーガエンジンIIの機能(クリックで拡大)

 もちろん、実際のエンコーダーを並列動作させていたら、処理能力がいくらあっても足りない。そこで松下は、映像の特徴やパラメータの違いによる処理結果を“モデル化”しておき、結果を予測する仮想エンコーダーを作った。これを条件の違いで並列動作させ、その結果から「最も符号化ノイズの少ないパラメータ」を選択、実際のエンコード作業に用いる仕組みだ。同時に動くバーチャルエンコーダーの数は、「“動き検出”だけで数種類、そのほかの設定も含めると数十から数百におよぶ」という。

 この手法により圧縮効率は向上し、LPモードでもSPモード並みのフルD1解像度(水平解像度500本)を維持できるようになった。4.7GバイトのDVD-RAMなら、従来はSPモードで約2時間しか録画できなかったのが、今後は同じ解像度で4時間記録できるようになる。

起動1秒のクイックスタート

 電源オフの状態から、わずか1秒でEPGが立ち上がる「クイックスタート」も大きな特徴だ。「リモコンの番組表ボタンを押すだけで自動的に電源がオンになり、1秒でEPG画面を表示できる。朝の忙しい時間帯に録画予約を行うときなどにも便利だ」(同社)。

 また、起動直後に録画を開始する場合でも、バッファメモリの搭載により、電源オンから1秒で録画可能な状態になるという。これまで最速だった三菱電機の1.5秒を、コンマ5秒上回るスピードだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.