麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
ソニーは復活するか(1/4 ページ)
ソニーが先日3月7日に発表したトップ人事刷新は、各方面で大きな話題を呼んだ。
業績不振の中で行われた首脳交代劇にはさまざまな意見が飛び交っているが、いずれにしても出井伸之会長兼グループCEOを中心とした体制は終わりを告げ、出井氏の後任に就く米国法人会長のハワード・ストリンガー副会長兼COOと、安藤国威社長を引き継ぐ中鉢良治副社長による「ストリンガー/中鉢」の新体制で“エレクトロニクスのソニー”復権を目指していくことになる。
だが、この人事刷新によって、果たしてソニーは復活するのだろうか?
マルチメディア評論家の麻倉怜士氏に最新の業界動向、AV製品の独自分析/インプレッションなどを聞き出す月イチ連載「デジタル閻魔帳」。今月は“30年来のソニーウォッチャー”の麻倉氏に、革新的な製品を次々と市場に投入してきたソニーのこれまでの歴史を振り返りつつ、復活にかけるソニーの今後の方向性を語ってもらった。
――ソニー関係の本も出されていますが、企業としてのソニーとの関わりはいつ頃からですか?
麻倉氏: ユーザーとしては小・中学生頃からソニー製のラジオやテープレコーダーを愛用していましたが、仕事でソニーと深く関わるようになったのは1970年代半ばからですね。ちょうど私が日経新聞からプレジデントに転職した頃です。ご存知のように、プレジデントでは企業取材というのが多い。私がソニー取材を行い始めた1975~1976年は“ベータマックス元年”で、これからビデオの時代だということで「これは盛田氏(盛田昭夫氏:ソニー創業者)か岩間氏(岩間和夫氏:1976年~1982年 ソニー社長)に話しを聞きに行かなくては」と考え、すぐに行動に移しました。ベータマックスがどんなものなのかさえ、その当時は全然知らなかったんですけどね(笑)。
私が最初に岩間氏へインタビューした時のテーマは「米アラバマでのテープ工場建設」についてでした。当時、エレクトロニクスメーカーの海外進出といえば大手商社を通じて行うのが一般的でしたが、ソニーは市場があるところに工場を建設するという手法を取り入れたのです。海外進出でも先端を行っていたのですね。
――初期のソニーの印象は?
麻倉氏: 盛田氏にも何度か取材しましたが、一番印象的だったのが、米国進出の話をうかがった時。2時間近くのインタビューを終えて、さあ記事にまとめようとしたら全然直す必要がなかった。ものすごく頭脳明晰な方で、取材の最初から最後まで実に理路整然と語ってくれたのです。
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