レビュー
» 2005年04月25日 18時44分 UPDATE

レビュー:薄さと強さのモノコックデザイン――高感度・薄型機「FinePix Z1」 (1/5)

激戦区の“薄型大画面デジカメ”に、富士写真フイルム「FinePix Z1」が登場する。独自CCD&処理で、感度を上げてもノイズが目立たない「高感度に強い」デジカメ第2弾。試作機による使用レポートでその性能を探ってみた。

[永山昌克,ITmedia]

 今年3月に発売した「FinePix F10」が売れ行き好調らしい。それまではコンパクトデジカメの弱点といわれた高感度撮影時のノイズを改善し、ISO400や800でも実用的な画質で撮れる画期的なデジカメである。加えて、約0.01秒というシャッタータイムラグの速さ、CIPA準拠で約500枚というバッテリー持久力の高さなど、カメラとしての基本性能がきちんと押さえられている。そのあたりが人気の理由だろう。

 ただしFinePix F10のボディは、奥行きが27.3ミリで、使用時重量が200グラムと、ちょっと“スリム”とは言い難い。「だからこそいい」という意見はもちろんある。無理をしない適度な厚みと重量があるからこそ、使い勝手に優れる。しかし、逆に操作性は多少犠牲にしてでも、携帯性やデザイン性を重視したいと考える人もいるはずだ。

 そんなデザイン志向のユーザーに向けた高感度デジカメの第2弾が「FinePix Z1」である。同社のデジカメとしては初めて屈曲光学式の3倍ズームを搭載し、奥行き18.6ミリ、使用時重量150グラムを実現した。これまでのシリーズとは一味違う、シャープでスマートなデザインに注目したい。なお今回使ったのは、製品版の前段階となる量産試作機である。画質や操作感などに変更が生じる場合があることをお断りしておく。

photo 光学3倍ズーム搭載の512万画素機「FinePix Z1」。写真のシルバーのほか、ブラック、ブルー、レッドのカラーバリエーションがある。発売予定は5月

薄さと強さを併せ持つモノコックデザイン

 FinePix Z1のデザインを印象付けているのは、上から見るとUの字形のボディラインだ。これは、背面から両側面までが1枚のアルミ板で構成された「モノコック(単一の殻)」と呼ばれるフォルムであり、外板そのものがボディ全体を支えるフレームとしての働きを備えている。

 モノコックは、飛行機やF1のボディなどにも利用される成形技術である。小型軽量ながら強度を保てることや、つなぎ目やビスの数を最小限に抑えられることがメリットだ。その半面、設計や量産の面では難しさもあるという。それをあえてデジカメのボディに採用したことで、他にはない個性的なデザインとなった。

 そして、モノコック構造の前面にはフラットなリアカバーがあり、カバーの中央には従来の製品とはデザインが異なるFINEPIXのロゴが彫られている。そのロゴの凹凸に指を重ねてカバーを横にスライドすると、前面のLEDが白く光り、ピポパペという電子音が鳴って電源が入る。

 起動まで時間は、16MBのxDピクチャーカード使用時で1秒以下、512MBの使用時でも約1.2秒と軽快だ。AFは、センター固定AFと複数の測距点が自動選択されるオートエリアAFの2タイプに切り替えられ、どちらもスムーズに作動する。最高画質の画像10枚を撮影するのにかかった時間は、約16秒とまずまずのレベルだ。

photo スリムでありながら強度の高いモノコックフォルム。上面には、動画やボイスメモ用のマイク、シャッターボタン、静止画と動画のモード切り替えスイッチを備える
photo ロゴの凹凸以外には、リアカバーをスライドさせるための突起がなく、慣れるまではスライドの操作が少し固く感じる。緩すぎて持ち運び中に不用意に電源が入るよりはいい
photo カバー内部の表面には、薄いヘアライン処理が施されている。レンズは35ミリフィルム換算で36〜108ミリ相当の光学3倍ズーム。開放値はF3.5〜4.2と薄型デジカメとしては標準的だ。前面のLEDは、起動時は白く、セルフタイマー作動時は赤く光る
photo 側面にはモバイルプリンター「Pivi」への赤外線送信ポートを装備。ストラップの取り付け部は、出っ張りのない通し穴にすることで、フラットフォルムを維持。ネジは一般的な十字穴ではなく、Y字形のものが使われている
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.