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“安心・誰でも”それが定番の実力――「オプティオ S5z」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年07月05日 19時06分 公開
[小山安博,ITmedia]

 感度はオート/マニュアル(80/100/200/400:標準出力感度)から選択可能で、オートの場合は80〜200まで増感される。400まで増感するとノイズは増えるが、感度200でも比較的ノイズは抑えられている印象。それでも、シャッタースピードが十分であれば80に固定したほうが、当然ノイズは少ない。

 シーンに適した撮影をしたい場合は、モードボタンから各種ピクチャーモードを選んで撮影すれば、カメラが自動的に撮影設定を最適なように変更してくれる。ピクチャーモードはプログラムモードに加えて、夜景/動画/パノラマアシスト/風景/花/ポートレート/セルフポートレート/夕景/料理/ペット/テキスト/スポーツ/サーフ&スノー/デジタルエフェクト/ユーザーの16種類だ。

 「ペット」や「テキスト」モードにはさらに選択肢が用意され、ペットであれば犬と猫、それぞれ白/灰色/黒の毛色を選ぶことができる。これによって、毛色に応じた露出補正やコントラストの調整が行われているようだ。

 テキストは文字をくっきり撮影するモードで、露出補正をプラスにし、コントラストとシャープネスを上げるなどの調整が行われるが、さらにテキストのカラーを反転させたり、モノクロ、さらにその反転と、できるだけ見やすい文字の撮影が可能になるよう配慮されている。

 あっと驚く撮影機能があるわけではないが、使いこなしが簡単で、QUICKボタンのカスタマイズをしておけば操作性もいい。スナップ撮影には十分な機能を備えていると言える。

 基本的な操作体系は、ほかのオプティオシリーズと比較的共通しており、オプティオシリーズを使ったことがある人ならばほとんど迷わないだろう。初めてでも、とりあえず撮影する分には何も問題はないはずだ。

 再生時のサムネイルは1画面9コマのみ。1コマ表示では、ヒストグラムからシャッタースピード/絞り値など、各種情報を表示させることができ、見やすい。

 また、これも設定から「クイック拡大」を選び、倍率を2/4/8倍から選択すると、再生時にズームボタンで拡大する際、最初の1クリックでどこまで拡大するかを設定できる。8倍にセットしておけば、拡大再生時に一気に8倍まで拡大され、ピントやブレの確認がすばやく行える。このあたりの項目がカスタマイズできるところはさすがだ。

 再生画面でモードボタンを押すと、リサイズやトリミング、内蔵メモリーからSDカードへのコピー、カラーフィルタ、明るさフィルタ、動画の編集といった操作が行える。

 明るさフィルタは、撮影後の写真に対して露出補正が行える機能だ。撮影時の露出補正のように、-2EV〜+2EVまでの範囲で、1/3EVずつ変更できる。保存時には上書き保存か新規保存が選択でき、新規保存を選んだ場合は同じ記録サイズ、画質で別名保存される。JPEG画像を再保存するため、多少の画質劣化はあるが、撮影では露出の失敗が多いこともあり、PCを使わずに簡単に補正できるのは面白い。

“大画面で使いやすい”ならS5zか

 ペンタックスのオプティオシリーズは、全般的にコンパクトデジカメとしては完成度の高い。S5zも、質感や使いやすさ、高いカスタマイズ性、見栄えの良い画質と、不満点の少ないカメラに仕上がっている。

photo バッテリーは薄型のリチウムイオンバッテリー。バッテリー寿命は約180枚(CIPA規格)。決して多いわけではないが、これだけ持てばひとまず不満はない

 紹介した機能以外にも、MPEG-4形式でVGA(640×480)サイズ・30フレーム/秒の動画撮影が可能なほか、動画から静止画の抜き出し保存、約9.3Mバイトの内蔵メモリーなど、基本性能も充実している。

 S5zと同時発表で、光学5倍ズームの薄型デジカメ「オプティオ SVi」も発表されている。SViはマニュアル撮影もこなせるやや中級者向けのカメラだが、S5zは大画面液晶が欲しいエントリーユーザーから、サブカメラとして薄型カメラが欲しいユーザーに適しているだろう。

 どこにもないような特殊な機能がない分、定番機能の搭載を心がけたオプティオ S5zは、安心して誰にでも勧められるカメラと言えるだろう。

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