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“安心・誰でも”それが定番の実力――「オプティオ S5z」レビュー(2/4 ページ)

» 2005年07月05日 19時06分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ボタン数は過不足のない印象だ。撮影時の十字キー下ボタンに何も設定されていない点は気になるが、十字キー上でセルフタイマー/連写/リモコンの切り替え、右でマクロ/スーパーマクロ/パンフォーカス/遠景/MF/AFエリア移動、左でストロボ発光方法の変更ができる。

 AFエリアの移動が可能な点はポイントだ。このモードにすると、AFエリアを上下左右3点ずつに移動でき、三脚を使ったときやピントの中抜けを防止したいときなどに活用できる。通常AFエリアは自動選択なので、これを使えば自分の合わせたいポイントにAFエリアを移動できる。

 メニュー画面は、フルオートが基本のカメラながら、設定項目が多い。ペンタックスのカメラはカスタマイズ性が高いのが特徴で、今回も電源オフにしてから再び起動したときに、撮影機能を記憶しておくかどうかを選べるようになっている。たとえば感度やホワイトバランス、ズーム位置など、さまざまな項目を記憶させておくことができる。

 ほかにも、背面の「QUICKボタン」には、デフォルトではフルオート撮影用のグリーンモードが割り当てられているが、これに対して「Fn設定」を割り当てることができる。これを設定しQUICKボタンを押すと、十字ボタン上で記録サイズ、右でISO感度、下で露出補正、左でホワイトバランス、といったように、撮影設定にすばやくアクセスできるようになる。十字ボタンに割り当てる機能もさまざまなものが選択可能だ。

photo QUICKボタンは、初心者であればオートモードとして使い、慣れてきたら露出補正などを割り当てると良さそう。QUICKボタンを押してから十字キーで各種設定を変更できる

簡単に撮れて、しかも使いやすい

 レンズは沈胴式の光学3倍ズームレンズで、同社独自のスライディング・レンズ・システムにより薄型が実現されている。レンズは焦点距離35.6〜107ミリ(35ミリ判換算時)、明るさがF2.6〜F4.8で、いたって平均的なスペック。

photo レンズはスライディング・レンズ・システム採用のsmc PENTAXズームレンズ。沈胴式だが、起動時のレンズせり出しはそれなりに高速

 撮影可能範囲は通常時40センチ〜∞、マクロモード時18〜50センチ、スーパーマクロ時はズームが中間位置に固定されるが、6〜20センチまで近寄れる。パンフォーカス、マニュアルフォーカスも選択可能だ。

 マクロやスーパーマクロが少々物足りない感じだ。最近のデジカメはマクロに強いモデルが増えており、6センチまでというスーパーマクロはもう少し寄りたいところ。ただし、パンフォーカスが選べるのは評価したい。ピントの中抜けなどが防げるし、AFが不要なためより高速にシャッターが切れるからだ。

 撮影はプログラムモードが基本だ。試用した限りはほぼプログラムモードで問題ない撮影が可能。オートホワイトバランスも適度で、破綻の少ない描写をする。このクラスのカメラとしては平均的な画質だ。

 撮影時の操作性もよく、前述のQUICKボタンをカスタマイズすることで、撮影設定にも簡単にアクセスできる。約1.6秒起動時間や約0.01秒のレリーズタイムラグ(いずれも公称)、暗所でのAFスピード、ズーミング速度など、基本的なレスポンスも悪くない。

photo QUICKボタンをカスタマイズしてあれば、上下左右にISO感度や露出補正など、11種類の機能を割り当てられる

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