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圧縮音源とポータブルプレーヤーの関係特集:初めてのポータブルプレーヤー(1/2 ページ)

» 2005年07月28日 12時23分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 前回はポータブルプレーヤーを使う上で欠かすことのできない「圧縮音源」と、代表的なフォーマットであるMP3/WMA/AAC/ATRAC3などについて解説した。今回はもう少し踏み込んで、圧縮音源とプレーヤーの関係、およびビットレートとの関係を解説したい。

圧縮音源フォーマットとプレーヤーの関係

 初めてポータブルプレーヤーを購入した場合、iPodを購入すればiTunes、ネットワークウォークマンを購入すればSonic Stageといった具合に、多くの人がパッケージに付属している音楽管理ソフトを使ってCDからライブラリを構築することになるだろう。

photo iTunes
photo Sonic Stage(写真はMoraから無償配布されている「Sonic Stage for Mora」)

 まずは各ソフトが標準で設定している圧縮音源フォーマットの種類を確認してみよう。iTunesならばAAC、Sonic StageならばATRAC3/ATRAC3plus、WMP(Windows Media Player )ならばWMAとなっているはずだ。iTunesならば「編集」-「設定」-「インポート」、Sonic Stageならば上部の「音楽を取り込む」を「CDを録音する」に切り替えた後に、画面中央に現れる「設定」ボタン、WMPならば「ツール」-「オプション」-「音楽の取り込み」で確認できる。

photo Windows Media Player

 CDから音楽を取り込む場合、標準設定の圧縮音源フォーマットで取り込んでも良いし、好みに応じて変更しても良い。ここで注意しておく必要があるのが、圧縮音源フォーマットとポータブルプレーヤーの対応関係だ。

 例えば、ネットワークウォークマンはAAC形式のファイルを再生できないし、iPodはATRAC3形式のファイルを再生できない。各圧縮音源フォーマットとポータブルプレーヤーには密接な関係があるのだ。

 どのようなファイル形式が再生できるかはポータブルプレーヤーのパッケージや説明書に書かれているが、やや例外的といえるのがMP3とWMAだ。MP3は前述したように圧縮音源の元祖ともいえる存在のためデファクトスタンダードともいえる地位を確立しており、また、WMAはWindows標準の圧縮音源フォーマットとして使われているために、多くのプレーヤーがMP3もしくはWMAの再生に対応している。

photo iPod Miniの外箱。再生できるファイル形式が明記されている

 それならばMP3とWMAが万能かというと、実はそういうわけでもない。

 ソニーのHDDプレーヤー「NW-HD5」はATRAC3plusとMP3の再生が可能だが、搭載している音響エフェクトのうち、6バンドイコライザとアリーナで聞いているような効果を加える「VPTアコースティックエンジン」はMP3に使えない。このように、ポータブルプレーヤーによってはMP3/WMAへの対応条項が異なることもある。

 また、音楽配信においてはそのファイルが複数のポータブルプレーヤーへ無制限にコピーされないよう、著作権管理機能を持った形式(ATRAC3やWMA、プロテクテッドAAC)で配信される。音楽配信サイト「Mora」ではATRAC3とWMAの形式で楽曲を配信しているが、ATRAC3で配信された楽曲はネットワークウォークマンなどの「アトラックオーディオ」と呼ばれる製品でしか持ち出すことができない(PCで聞くだけならば、Sonic Stage for MoraやMAGIQLIP 2といった無償提供されているソフトを導入するだけでよい)。

 多くの楽曲管理ソフトはフォーマットの変換機能を持っているので、CDから音楽を取り込んで楽しむ分にはどの圧縮音源フォーマットを使用しても問題ない。ポータブルプレーヤーも、内部のストレージに複数種のファイルを混在させても問題なく再生が行えるものがほとんどだ。

 しかし、ポータブルプレーヤーと各圧縮音源フォーマットが密接な関係を持っていることは覚えておくべきだ。

photo iPodはWMAの再生に対応していないが、iTunesでWMPからMP3へ変換してやればiPodでその曲を楽しむことができる。

圧縮音源フォーマットとビットレートの関係

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