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» 2005年08月08日 11時58分 UPDATE

インタビュー複雑な気持ちでポッドキャストとiTMS-Jに向かい合うミュージシャン (1/2)

iTMS-Jがポータルとなり、ぐっと身近になったポッドキャスト。自然音を背景にトークを広げるポッドキャスト「クジラノイズのF.B.I」に出演している、ミュージシャンの朝日美穂さんにネットと音楽、放送の関係について聴いてみた。

[渡邊宏,ITmedia]

 インターネットを利用したダウロード型放送「ポッドキャスト」。iTunes 4.9の提供開始でぐっと身近になったが、さらに8月4日にスタートした日本版iTunes Music Store(iTMS-J)からも多くの放送局を選択することが可能となっており、ストリーミング型のネットラジオとはまた違った楽しみ方が提案されている。

 そうした番組のひとつが「クジラノイズのF.B.I」。著作権上の問題で現在はダウンロード型放送で自由に楽曲を流せないことから、「それならば、街や自然の音をバックに放送してしまおう」という番組だ(F.B.Iはフィールド・ブロードキャスティング・インターネットの略)。Rightsscaleが運営している「Radio Bonanza」から聴くこともできる(iTMS-Jからの放送については8月8日現在登録作業中)。

photo 「クジラノイズのF.B.I」でパーソナリティを務める朝日美穂さん

 パーソナリティを務めるのは、シンガーソングライターの朝日美穂さんと、野外録音を手がける録音エンジニアの土方裕雄氏。朝日さんは自身のレーベル「朝日蓄音」を主催しており、これまでにフルアルバム3枚、シングル8枚をリリースしている。

 ミュージシャンの朝日さんがなぜ、自由に音楽を流せないポッドキャスティングのパーソナリティをすることになったのだろうか。ポッドキャスティングをしてみた感想、ミュージシャンの目から見た「ネットと音楽の関係」なども含めて聞いてみた。

「ポッドキャストって……なに?」

――そもそも、なぜミュージシャンの朝日さんが、音楽を自由に流せないポッドキャスティングのパーソナリティをすることになったんですか?

朝日さん: テレビやCMのSE(サウンドエフェクト)制作などを手がけている「クジラノイズ」というスタジオが自身のレーベルを立ち上げ、土方さんがこれまで録音してきた自然環境音をiTMS-Jで販売しようと考えていたんです。そのとき、ポッドキャストを始めるという話も持ち上がったんです。そこで偶然にも、私に「朝日さん、よかったら協力してもらえませんか?」とお話を頂いたのがきっかけです。

 ただ、お話を頂いたのはいいものの「ポッドキャスト」という言葉も全然知らなくて(笑)、インターネットラジオみたいなものかと思っていたんです。ただ、調べてみたらストリーミングが基本のインターネットラジオとポッドキャストは違うものだと分かりまして、「音楽流せないんですけど……」と言われた時は「えー……」って感じでした(笑)。

――朝日さんといえば、レコミュニで曲が販売されていたり、ネットと関係が深いと思っていたのですが、始まりは偶然だったわけですね。

朝日さん: そうですね。パーソナリティをすることになったのは、アーティストとして何か考えてという訳ではなくて、本当に偶然の出来事なんです。

photo レコミュニでは、朝日さんの曲が現在29曲が販売されている

 音楽の代わりに、土方さんが録音した自然音を流す――というところまでは決まっていたんですが。そこから先は何も決まっていなくて、「何をしたらいいんだろう?」と考え込んでしまいました。SE制作スタジオから発信するわけですから、広い意味での「環境音」を中心にしていこうと決めたんです。

――ご自身、FMのパーソナリティをなさった経験もお持ちですが、しゃべる舞台がラジオからポッドキャストに変わって、なにか違いというものは感じますか?

朝日さん: 感覚的なところに限れば、そう大きな違いはないです。ただ、FMの時には台本はプロの作家さんが作ってくれましたけれど、この番組では台本からして私の手作りなんです。

photo 朝日さんお手製の台本。「放送は10分弱ですが、20分ほど録音して、それを編集しています」

「10分ぐらいがポッドキャスティングにはちょうどいいのかな」

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