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多機能を駆使できる低価格のデジ一眼――ニコン「D70s」レビュー(2/4 ページ)

» 2005年08月22日 18時27分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 その違いは、例えば操作性に表れている。D50ではグリップ部のコマンドダイヤルが1つしかないが、D70sには2つあり、マニュアル露出モードの際に、絞りとシャッター速度をそれぞれダイレクトに調整できる。また、絞り優先AEやシャッター優先AEモードの使用時には、コマンドダイヤルの片方に露出補正を割り当てることも可能だ。

photo 右手親指があたる位置にメインコマンドダイヤル、人差し指の位置にサブコマンドダイヤルを装備する。コンパクトフラッシュのスロットは、ボディ背面にある

 加えて、背面の左上にオートブラケットの専用ボタンがあり、メニューを呼び出さずに素早く設定できること、上面のイルミネーターボタンを押して、液晶パネルにバックライトを点灯できること、側面にリモートコードの接続端子を備えること、ファインダー内に格子線を表示できることなども、D70sの優位性だ。

 いずれも、なければないでなんとかなる些細な違いかもしれないが、一度その機能や操作性に慣れると、それができないD50では少し不自由を感じる。そのほか、シャッター速度の最高速や、連写スピードに関してもD70sが上回り、記録メディアにコンパクトフラッシュを採用するという違いもある。

 5つの測距点を選べるAF、2.0型で約13万画素の液晶モニター、倍率0.75倍のファインダーなどは同等の性能だ。起動や撮影間隔などのレスポンス面にも大差はなく、どちらもストレスなく、きびきびとした撮影ができる。

photo 倍率約0.75倍、視野率約95%のファインダー表示。この写真は、カスタムメニューから「格子線表示」をONにした状態。きっちりと構図を決める際に役立つ

 ただし、再生時の操作性では、コマンドダイヤルによって画像を拡大したままコマ送りができるD50のほうが、それができないD70sよりも使いやすい。十字ボタンによるコマ送りに関しては、D50は左右操作で行うが、D70sでは上下操作で行う違いもある。この点は慣れの問題であり、優劣はいえない。ちなみに上位のD2シリーズとは異なり、この操作のカスタマイズは両機ともできない。D70sとD50の2台を併用する場合には、かなり戸惑う部分なので注意したい。

photo ISO感度、ホワイトバランス、画質モードの各設定は、左側に並んだボタンとコマンドダイヤルの併用で切り替えできる。またマルチセレクター(十字ボタン)で、AFエリアの選択が可能

25項目のカスタムセティングに対応する

 撮影モードは、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、およびデジタルイメージプログラムに対応する。デジタルイメージプログラムとはシーンモードのことで、オートのほか、ポートレート、風景、クローズアップ、スポーツ、夜景、夜景ポートレートの7種類を選べる。

 メニューは、再生/撮影/カスタム/SETUPの4メニューに分かれている。このうちカスタムメニューは25項目あり、露出値のステップ幅、メインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルの入れ替え、AE/AFロックボタンの機能設定、セルフタイマーの秒数指定などの詳細設定ができる。

photo カスタムメニューから「感度自動制御」をONにしておくと、設定した感度では適切露出が得られない場合、自動的に感度がアップする。P/S/A/Mの各モードで利用でき、気楽にスナップを撮る用途に便利。このカットはISO220になった
photo 同じく「感度自動制御」を使い、シャッター速度が1/30秒以下になると感度が上がるように設定した。その結果、感度はISO250となった。露出補正は−1、ホワイトバランスは曇天を選んでいる
photo デジタルイメージプログラムの「クローズアップ」を利用したフルオート撮影。P/S/A/Mのモードのデフォルトの画質に比べて、彩度が高くなり、植物がより鮮やかな色調で再現された
photo ボディ側面には上から、リモートコード端子、DC入力端子、ビデオ出力端子、USB2.0(Full-Speed)端子を備える
photo 付属リチウムイオン充電池「EN-EL3a」は強力で、電池寿命はメーカー公称値で約2500コマを誇る。またオプションとして、市販のCR2を3本装着できるホルダーが用意される

APS-Cサイズの610万画素CCDを搭載

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