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耳触りの良い“素直な音”――ケンウッド「R-K700」レビュー:上質な机上音楽空間のススメ(1/3 ページ)

» 2005年08月23日 14時48分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 デスクトップにちょうどいいコンパクトなオーディオ機器を探すこの連載。初回のオンキヨーINTEC「A-933」に続いて第2回目はケンウッドの「R-K700」を取り上げる。

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 CDプレーヤー、MDレコーダー、FM/AMチューナーがセットになっており、外部からのアナログ/デジタル入力端子も備えるオールインワンの製品でありながら、スピーカーを除くと5万4600円、実売価格では4万円前後で購入できる。

 前回のオンキヨーA933が、純粋に質の良いオーディオアンプとして作られた商品なのに対して、R-K700は一通りの機能を低価格に揃えたいユーザー向けと位置付けがかなり異なる。このクラスの製品は若年層向けに多数の機種が入り乱れる激戦区だが、その中で人気が高いというR-K700の”音”にフォーカスを当てて試用してみた。

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製品のプロフィール

 激戦区のこのクラスからR-K700をピックアップする前に、いくつかの量販店で人気製品について聞き取り調査を行ってみた。この価格クラスのオールインワン製品で、ピュアオーディオ的な音を求めることは難しい。その上、各製品のライバル関係も複雑で、一概にどの製品を取り上げるべきなのか、全く当てが無かったからだ。店頭でのデモ効果が大きく若年層に受けやすいドンシャリ傾向が非常に強い製品も少なくない。

 その上で比較的“素直な音”という基準で選んでもらったところ、複数の販売店が挙げたのがR-K700だった。特徴はプリアンプに相当する部分をデジタルドメインで処理し、それをバーブラウンブランドのDAC ICでアナログ化し、ディスクリート回路で組み上げたパワーアンプモジュールで増幅する。

 メーカーのセールスポイントを引用すれば、CDやMDなどのデジタルソースの鮮度を生かし、微弱信号を扱うプリアンプ部分をデジタルのまま処理することで高音質を実現しているという。加えてDSPを活用し、デジタル的な演算でイコライザ処理などを行う。

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