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SonicStageとWMP10のちょっと便利なTips特集:初めてのポータブルプレーヤー(3/3 ページ)

» 2005年08月29日 23時06分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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映像までも一元管理、リスト機能の活用で使い方に幅が出るWMP10

 Windows Media Player10(WMP10)の特徴は、強力なメディアファイルの一元管理機能とコンテンツサイトとの連携だ。音楽/映像の再生が可能なほか、コーデックを追加することによって、新しい種類のメディアファイルにも対応できる能力を持つ。もちろん、ポータブルプレーヤーへの転送機能も備えている。

photo Windows Media Player。現在の最新バージョンは2004年10月から提供されている「Windows Media Player 10」

 “メディア”プレーヤーを名乗るだけあって、WMP10で管理できるファイルの種類は非常に多い。「ライブラリ」タブからは「すべて音楽」「すべてのテレビ」「すべてのビデオ」と3種類のメディアファイルを確認できる。また、さまざまな条件に合致する曲や映像をリストアップする「リスト」機能が搭載されており、うまく使うことで使い方に幅を出すことができる。

 リストについては、「高ビットレートの曲」や「新着トラック」などの各種の条件にあった曲(映像)を探し出す「自動再生リスト」が「ライブラリ」画面にデフォルトで複数種類用意されているほか、ウィンドウ右上から「同期リスト」「再生リスト」「書き込みリスト」などの新規作成が可能になっている。

 ポータブルプレーヤーへの転送については、「同期」タブから「再生リストの編集」を行い、そのリストを転送するという形になっているのだが、正直、iTunesやSonicStageほどの直感的な操作が可能とは言い難い。「ライブラリ」タブの画面で、右のリストを「同期リスト」にしておけば、そこへファイルをドラッグ&ドロップするだけで再生リストを作成することが可能なので、利用スタイルにあわせて選択したい。

photo 「同期」タブから「再生リストの編集」を選択し、リストを編集した上で転送

 転送できるポータブルプレーヤーの種類はおそらく、今回取りあげているライブラリーソフトの中で最も多いだろう。多くのポータブルプレーヤーが、標準でWMP10の転送機能に対応しているほか、Windows DRMによる著作権保護が施されているファイルについては、WMP10で転送することが必須となるからだ。

 ちなみに、基本的にはWMP10はマイドキュメント内に収納されたメディアファイルをすべて「ライブラリ」ウィンドウに表示するので、iTunesでダウンロードしておいたポッドキャストをWMP10から再生することもできる(デフォルトでは、iTunesでダウンロードしたポッドキャストのファイルは、マイミュージック \ iTunes \ iTunes Music \ ポッドキャストに収納される)。

photo iTunesでダウンロードしたポッドキャストをWMP10で再生。「書き込みリスト」に登録しておけば、ダウンロードした放送をまとめてCDに書き込んでおくこともできる

可変ビットレートと可逆圧縮が利用可能

 CDからリッピング/エンコードの際にはWMAとMP3と選択可能だが、WMP10では可変ビットレート形式のWMAと可逆圧縮形式のWMAが作成できる。これらの設定については「ツール」-「オプション」の「音楽の取り込み」タブから行い、ビットレートの設定もここから行う。

photo CDからのリッピング/エンコードについての詳細設定は「音楽の取り込み」タブの「取り込みの設定」から行う

 WMAのビットレートは48/64/96/128/160/192kbps、可変WMAは40〜75/50〜95/85〜145/135〜215/240〜355kbpsの間で調整できる。MP3については、128/192/256/320kbpsの4段階調整となっている。

 可逆WMAは前回紹介したAppleロスレスと同じく、圧縮してもデータの欠落がまったく起こらず、拡張子も.wmaと変わらないが、生成されたファイルのサイズが大きく異なる。

 前回も利用した8曲/75分46秒のCDを、可変ビットレートWMAと可逆圧縮WMA、通常WMAの3種類でエンコードしてみたところ、次のようなファイルサイズとなった。可変ビットレートについては85〜145kbps、WMAは128kbpsのビットレートを使用した。なお、参考のため、前回テストしたAppleロスレス/AAC/MP3の結果も添えておく。

8曲/75分46秒のCDのエンコード結果

ファイル形式(ビットレート) ファイルサイズ
可逆圧縮WMA(-) 514Mバイト
可変ビットレートWMA(85〜145kbps) 82.9Mバイト
WMA(128kbps) 69.8Mバイト
Appleロスレス(-) 562Mバイト
AAC(128kbps) 70.1Mバイト
MP3(128kbps) 69.4Mバイト

 Appleロスレスと可逆圧縮WMAのファイルサイズが飛び抜けて大きいが、これは原理上、致し方ない。ストレージに余裕があり、少しでも原音のニュアンスを損なわない形式で保存したいというひと向けだ。WMAとAAC、MP3についてはビットレートを128kbpsで揃えてみたが、筆者の耳で判断する限り、大きな差は感じられなかった。また、可変ビットレートWMAとWMA(128kbps)とでは約13Mバイトの差があるが、こちらも試聴の限り大きな差は感じられなかった。


 WMP10にはコンテンツダウンロード販売サイトへのリンクも用意されている。現在WMP10から利用できるコンテンツ販売サイトは、BANDAICHANNEL、listen Music Store、MSNミュージック、OnGen(OnGen MUSICSERVER)、ShowTime、スカパー!BB、Excite Music Store、MORRICH Online Videojuke、MusicDrop、PRISMIX TV、WOWOW NEXT ENTERTAINMENT GENETICSの11種類。

photo 多くのコンテンツ販売サイトもWMP10のウィンドウ内から利用できる

 音楽のダウンロード販売については、iTunes Music Storeの開始で脚光を浴びた感があるが、ビデオコンテンツの販売についてはそこまで盛り上がっていないのが現状。ビデオクリップの試聴や、期間限定でアニメを1話丸ごと試聴可能といったサービスをしているサイトもあるので、WMP10を足がかりにいろいろなサイトを訪問してみて欲しい。

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