インタビュー
» 2005年09月08日 22時30分 UPDATE

「iPod nano」は日本人好み――米Apple幹部に聞く (1/2)

“鉛筆より薄い”というアップルの「iPod nano」。そのスリムさにも目を奪われるが、現在も販売が好調なiPod miniに入れ替わる形で登場するなど、戦略的にも興味深い。来日した米Apple幹部に話を聞いた。

[ITmedia]
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 発表されたアップルの薄型軽量プレーヤー、「iPod nano」。“フラッシュメモリを搭載し、iPod miniよりも薄型になる”と伝えたWall Street Journalの予想が的中した形だが、新製品としてラインアップに加わるのではなく、好調だったiPod miniの後継にすえるなど、その戦略も興味深い。

 発表会にあわせて来日した、米Appleのグレッグ・ジョズウィアック氏(iPod プロダクツ ワールドワイド プロダクト マーケティング担当副社長)に話を聞いた。

――なぜ、販売が好調であったiPod miniから切り替えてまで、iPod nanoを投入したのでしょう?

ジョズウィアック氏:この市場において、常に“ブレイクスルーの技術”を投入していくことは、我々の責任であると感じています。アップルという会社は、常に競合他社に先駆けてブレイクスルーを実現する能力も持っているとも思います。他社が我々の技術に追いつく前に、新しい技術を用いた製品を投入していくのです。

 オリジナル(初代)のiPodはほかの誰もが想像していなかった製品です。そのiPodを他社がまねしようしている間に、私たちはiPod miniを投入しました。そして、他社がiPod miniをまねしようとしている間に、我々はiPod nanoを投入するのです。

photo iPod nano

――“ブレイクスルーの技術”とは、小型化技術を指すのでしょうか。

ジョズウィアック氏:今回のブレイクスルーは、まさにその小型化技術と設計にあります。これだけの薄いボディですから、クリックホイールや液晶、回路に至るすべてを小型化しつつ、バッテリー寿命も両立しなくてはなりませんでしたから、かなりのチャレンジでした。確かに困難ではありましたが、この結果に満足しています。

photo 厚さは6.9ミリ。この厚さを実現するために、「再発明したといってもいい」というほどの根本的な再設計が行われたようだ

――小型化という目的のために、HDDではなくフラッシュメモリを採用したのでしょうか。また、4Gバイトモデルで2万7800円という価格は、フラッシュメモリプレーヤーとしては明らかに競合他社より安価です。どのようにして低価格化を実現したのですか。

ジョズウィアック氏:フラッシュメモリは2つの大きな特徴があります。ひとつは小型であること、ひとつはよりアクティブに扱えることです。目指した小型化を実現するには、フラッシュメモリを採用するしかなかったのです。

 低価格化はまさにカギといえるポイントで、そこが競合他社と私たちとの大きな違いだと考えています。これだけ大容量のメモリを搭載した製品を安価に販売できるのは、私たちの、この業界におけるリーダー的な立場に起因するところが大きいと思うのです。私たちへ部品を供給するサプライヤーにとっても、iPod nanoが成功すれば大きな市場を得ることになりますから。

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