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活用したい“360度ステレオ”――TDK「SP-XA80」レビュー小特集:机上のお手軽サウンド強化(2/2 ページ)

» 2006年02月03日 13時16分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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低音重視のサウンド、活用したい“360度ステレオ”

 今回も前回と同様、MP3エンコード(ビットレートは160kbps)した曲を収録したiTunesをライブラリーソフトとして音楽をならしてみた。

photo 今回はデスクトップ機と組み合わせてみた。机の角、液晶ディスプレイの裏側にウーファーがちょうど収まった

 再生してみてまず気が付いたのが低音の厚み。ウーファーを組み合わせているので当たり前と言えば当たり前なのだが、PCの内蔵スピーカーとは比べものにならない重量感が伝わってくる。聞き慣れたWindowsの起動音からして別の効果音かと思ったほど。

 ただし、低音が強すぎるのか、ソースによってはモッタリとした、音の歯切れが悪い印象を受けることもあった。付属のワイヤレスリモコンを利用すれば、ベースとトレブルをそれぞれ±5段階に調整できるので、積極的に活用した方が良さそうだ。

photo 付属のワイヤレスリモコンと受光部。ベース/トレブル/音量調節のほか、ミュート、入力切りかえ、電源の操作が行える。受光部でも入力切りかえと音量調節は行える

 2つのフラットパネルスピーカーが奏でる音の広がり方は非常に独特。解像感には乏しいものの、部屋全体をカバーするようなふんわりとした音場を作り出す。本製品のスピーカーはパネル全面に帯域周波数振動を分布させる独自の発音方式「NXT SurfaceSound」によって、約360度というほぼ全方位に近い指向特性を持つ。そのため、極端な話をすればスピーカーの裏側で聴いても、ある程度のステレオ感を得ることができるからだ。

 これはなかなかおもしろく、机上にセットした状態でスピーカーを前後逆にしてみたり、わざと室内を歩き回ってみたりしても、極端に大きなサウンドの変化を感じることなく、ステレオ感が伝わってくる。ただ、どこでもそれなりのステレオ感を演出できる半面、左右の位相をピシっと表現するのは苦手なようだ。

photo スピーカーの裏側。表側とほぼ変わらないデザイン

 もちろんPC内蔵スピーカーよりもクオリティは高く、机上のサウンド強化アイテムとしても活用できるのだが、この“どこにいてもそれなりのステレオ感を得ることができる”という独自性を生かすならば、机上用と限定せず、部屋全体をカバーするBGM用サウンドシステムとして利用した方が良いようにも思える。リビングのテーブルやTVラックなどに設置し、CDプレーヤーやゲーム機、デジタルオーディオプレーヤーと組み合わせても特色を生かせる製品といえるだろう。

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