ソニーから登場した「RDR-VH95/85」は、DVDドライブ、HDD、VHSデッキを搭載する“3 in 1”レコーダーだ。2つの地上波アナログチューナーとBSアナログチューナーを内蔵し、HDDまたはDVDとVHSで2番組同時録画が行えるベーシックな仕様。2製品は姉妹製品となっており、異なるのは内蔵HDD容量のみだ。今回は下位モデルとなる「RDR-VH85」を試用した。
デザインは旧モデルとなる「RDR-VH83」のスタイルを継承しており、3 in 1レコーダーとしては可もなく不可もなくといった所。本体の操作系はDVDドライブとVHSデッキのイジェクトが独立している以外は1系統で、メディアを選択して操作するシンプルなタイプになっている。前面下部はカバー内にAV入力や操作ボタン、DV入力なども備えるが、こちらもミニマムな構成だ。
スペックをおさらいしておくと、アナログ地上波チューナーとアナログBSチューナーを備えたHDD+DVDレコーダーに、アナログ地上波チューナーを備えたVHSデッキが合体した形。アナログBSチューナーからの録画はHDDまたはDVDへのみとなる。デジタルチューナー非内蔵タイプの製品では良く見る構成だ。VHSデッキ部は「SQPB」にも対応していないので、S-VHSモードで録画したVHSテープは正常再生が行えない。もっともS-VHSのライブラリをDVDへ、といった理由で3 in 1レコーダーを購入する人はそろそろ減ってきているだろうから、マイナス材料とする人は多くないだろう。
DVDドライブ部は録画、ダビング可能なメディアがDVD-Rで最大8倍速書き込み、DVD-RWで最大6倍速書き込み(速度はPC表記)と旧モデルから変更はない。ただし、DVD-RがCPRMメディアに対応し、デジタル放送を録画したコピーワンス番組もDVD-Rへのダビングが可能になった。また、カートリッジレスのDVD-RAMの再生にも対応するなど、録画再生ともにDVDメディアの対応度をいっそう充実させている。
もともとDVD+R/DVD+RWメディアの再生も公式にサポートしているため、DVDメディアの再生互換性は高い方になるが、DVD-R DLメディアの再生に関しては非サポートだ。なお、DVDドライブでDVD-Rが最大8倍速、DVD-RWが最大6倍速書き込みというスペックの製品はちょっと考えにくいので、恐らくはDVD-Rへの書き込み速度は意図的に8倍速に抑制しているのだろう。実際16倍速書き込みは外周部の書き込み品質の不安や、動作音が大きいといった課題も抱えているので、あえて8倍速書き込みに抑えるのも民生機では正解かもしれない。
入出力端子は、HDD/DVD/VHS共用のAV出力が1系統、入力が2系統(内前面1)となり、入力のみS端子をサポート。HDD/DVD専用の出力としてS端子、D端子(D2対応)と音声出力、光音声出力を備える。D端子はともかく、S端子までVHSからの出力が行えないのはちょっと疑問だが、そういったことをあまり気にしない層をターゲットにしているのだろう。なお、HDD/DVDユニット使用中に外部入力としてVHSを選択すれば、VHSデッキの再生をS端子、D端子へ出力することも可能だ。この点は初期の3 in 1製品と変わらない。
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