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1から設計したヘッドフォンのための専用アンプ――izo“R.Spec”「iHA-1」インタビュー(1/2 ページ)

» 2006年06月07日 14時14分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 izoが5月26日に発表した、ヘッドフォン専用アンプ“R.Spec”「iHA-1」。デジタル入力を備えるほか、高品質として定評のあるバーブラウン製オペアンプ「OPA627AP」4基を搭載するなどした高性能モデルだ。

 ヘッドフォンでも使える、ではなく「ヘッドフォンで聞くための専用アンプ」という本製品のコンセプトについて、また、同社のデスクトップオーディオへの取り組みについて話を聞いた。

photo izoの町田富士男氏。視聴コーナーが設置された東京中野、ブロードウェイ3階の「フジヤエービック デジタル・スタイル・ショップ」にて

――今回発売される“R.Spec”「iHA-1」はヘッドフォンでも使えるではなく、ヘッドフォンで聞くための「ヘッドフォン専用アンプ」ということですが、こうしたコンセプトはどういった経緯で生み出されたのでしょうか。

町田氏: ここ数年で、我々と音楽との接し方が大きく変わってきました。デジタルオーディオプレーヤーの普及や音楽配信の開始など、よりパーソナルな環境で音楽を聞くということが多くなったと思います。もちろん、カセットやCDのころからポータブルなプレーヤーはありましたが、収録できる曲数や再生時間が増え、取り巻く環境は大きく移り変わりました。その結果として、ヘッドフォンの存在が大きくなったと考えています。パーソナルな環境で、より良い音をヘッドフォンで楽しんで頂きたいと思い、ヘッドフォンアンプの製品化を企画しました。

photo 電源やゲイン切り替えのスイッチには、かるいタッチで切り替えができるソフトスイッチを使用

――これまでのヘッドフォンアンプとは、どういった点が違いますか?

町田氏: そうですね、まず、デスクトップでの利用を考慮した点が大きいと思います。デジタルオーディオプレーヤーやPCでの音楽再生に使用して欲しいと考えましたので、机の上に置いても快適に使える大きさを目指しました。とはいえ、基板やコネクタなどを小さくするのは限界がありますし、無理にコンパクトにして音質に影響がでてはいけませんので、設計と試作を繰り返しながらこの大きさに落とし込みました。

 ただ、サイズ的に小さくできること、またデスクトップ上で使う際に便利になるような工夫は最大限しています。たとえば電源を内蔵せずにACアダプタを使用しています。本体のサイズやコードの取り回しを考えると、電源は外部にあったほうが便利だからです。ただし、オーディオ機器としては好みの電源ケーブルが使えないなどの理由で敬遠されてしまう傾向もあります。今回はアダプタ側と本体側に工夫をすることで、内蔵電源と変わらない音質を確保しました。

 使いやすさという点では、ボリュームやスイッチの部分で位置や押した際の固さについても検討を重ねました。音質面を考えるとしっかりしたスイッチが有利ですが、机の上で使うものに固いスイッチを使用すると、本体が動いてしまって不便ですよね。そこで、できるだけ小さな力で切り替えられるソフトスイッチを使用しました。

photo RCA端子はゴールドプレートタイプで、デジタル入力も備える。電源は付属のACアダプタのほか、高品位電源ユニットの「iPSU」がオプションで用意される

――本体はアルミを使うなど、かなりしっかりした作りになっています。こうした点もこだわりでしょうか。

町田氏: アルミボディは格好良さ優先で決めた面もありますが(笑)、堅牢性の向上には役立っています。ヘッドフォンアンプは一部の高級な製品を除くと、オーディオ機器としてはあまり外観に気を使ったものがありません。机の上に置くものですから、リビングなどで使用するものに比べて目にする機会は多いと思います。常に目に触れる物として、できるだけしっかりしたデザインの製品にしようと思いました。また、今後のシリーズ展開を考えて、スタックできるようにしてあります。今後の製品についても統一性のあるデザインのままお使いいただけます。

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