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日立、50V/60V型のプラズマ“Wooo”――初のフルハイビジョン対応機も(2/2 ページ)

» 2006年09月26日 17時33分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 日立製作所は、2008年度には50V型以上のプラズマテレビが全需要の4割に達すると予測(全世界)している。同社執行役常務ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの江幡誠氏によると、2006年度の200万台(予測)から2年間で、3倍の600万台にまで膨れあがる見込みだという。このため10月に量産をスタートするFHPの新工場「三番館」では、42V型/50V型のボリュームゾーンに生産を特化し、2007年夏までに年間360万台の生産体制を整える方針。三番館では、2020×1210ミリのマザーガラスを使用し、最大85型まで対応可能なほか、「42V型の4面取り、あるいは50V型の3面取りを効率的に行える」。

 さらに、既にFHPが技術発表を行っている42V型/50V型のフルハイビジョンプラズマパネルについても、具体的な商品化スケジュールを明らかにした。江幡氏によると、42V型は「2007年の夏以降」に、また50V型を「2007年の早い時期に」それぞれ商品化する方針だという。

photo 会場にはFHPが開発したフルハイビジョンの42V型/50V型PDPも展示されていた

 家庭用テレビがより大型画面にシフトしていることはメーカー各社が指摘しているが、日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ・マーケティング本部の吉野正則氏によると、同社の調査では25%を超える人が自宅のメインテレビとして「50V型以上」を希望したという。また吉野氏は、映画館とリビングルームにおける画面サイズと視聴距離を引き合いに出し、50V型がもっとも“映画館の特等席”に近いと指摘する。

photo ユビキタスプラットフォームグループ・マーケティング本部の吉野正則氏

 「50V型の画面高さは62センチ。対して劇場のスクリーンは高さ5.5メートル。テレビ画面から2メートル離れて視聴すれば、スクリーンから約16メートルの距離にある劇場特等席と、ちょうど同じ臨場感が味わえる。50V型は新しいメインサイズとして受け入れられるだろう」。

 デモンストレーションでは、新型プラズマテレビと他社製液晶テレビを並べ、動画表示性能の違いをアピールした。今回は計測機メーカーのシバソクが提供している“横にスクロールするチャート”を使ったもの。テレビや映画に多用されるパン(カメラワークの一種、カメラを横にふる)を模してチャートを一定のスピードで移動させ、はっきりと見えれば、そのテレビは視覚的動画解像度(目視による解像度のこと。TV本で表現される)が高く、ボケてしまえば低いというわけだ。

 「たとえばドラマに多用されるパンのスピードは約5.3秒(で画面が一巡する)。このとき、PDPなら10000TV本までハッキリ見えるが、60Hz駆動の液晶テレビでは400〜500TV本に落ちてしまう。動画解像度は、テレビの画質評価を最も左右する要素だ」(吉野氏)。

photophoto 他社製液晶テレビと自社のプラズマテレビを並べ、動画性能の違いをアピール
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