ボディは従来機より丸みが増し、上から見ると水滴のように見える、より個性的なフォルムに変身した。レンズ側からボディ側にかけて、全体のラインが緩やかなカーブを描き、レンズ部の厚みが目立たないように工夫されている。
高倍率ズームのため、どうしてもレンズ側に重心が片寄り、右手だけで構えるとバランスがよくない。だが、そもそも光学10倍ズーム機を片手で扱うのは無謀だ。両手でのホールド感は良好で、曲面がしっくりと手になじむ。
ボディ上部には、電源のほか長方形のシャッターボタンと四角いズームレバーを装備する。個人的には、従来機COOLPIX S4のような丸型のシャッターボタンが好みだが、長方形なっても特に押しにくい印象はない。ただしズームレバーは小さすぎて、やや操作しにくい。
これまでと同じくストロボがレンズの上ではなく横にあるのも少々気になるが、このデザインではほかにスペースがなく仕方ない。また、オートレンズバリアを内蔵して欲しいというのは無茶な要望だろう。何もかも便利さを追求すれば、普通のコンパクトカメラのデザインになってしまう。それより、手ブレ補正付きの回転光学10倍ズームというほかにはない試みこそ本機の魅力だ。
レンズ部は270度回転し、ハイアングルやローアングルからの撮影がしやすい。液晶部が回転する方式とは異なり、このスイバル方式では縦位置での撮影時に回転のメリットはないが、フラットな形状は撮影時の取りまわしに優れる。
ちなみにCCDや手ブレ補正機構および、そこから得た信号をデジタル変換する回路はレンズユニット側にあり、様々な画像処理を行う回路はボディ側にある。電磁波の影響を受けずにレンズ側からボディ側にデータを送れるように、配線にシールドを施すなど独自の工夫が盛り込まれている。また回転機構の耐久性を維持するための、素材の選定や部品の組み合わせなどにも、同社がこれまでに培った様々なノウハウが生きているという。
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