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手ブレ補正に対応したレンズ回転デジカメ――「COOLPIX S10」レビュー(3/5 ページ)

» 2006年10月17日 15時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]

15種類のシーンプログラムを搭載

 このCOOLPIX S10は、ニコンのスイバル機としては98年発売の「COOLPIX 900」以来11代目の製品となる。初期の頃のスイバル機は主にカメラマニアやホビーユーザーを狙っていたが、次第にターゲットやコンセプトが変化し、ここ数年の製品はマニアよりも一般ユーザーを対象にしている。マニュアル機能が充実していたのは、初期の900系の後は2002年発売の「COOLPIX 4500」が最後であり、それ以降はフルオート志向のカメラになった。

 COOLPIX S10もその流れに沿った製品で、凝ったマニュアル機能は特に持たない。個性的な外見から受ける印象とは異なり、中身に関しては今どきの標準的なコンパクトデジカメといえる。手軽に扱える半面、機能を駆使する使い方には不向きな面もある。

 例えば、感度やホワイトバランス、露出補正などはメニュー画面からの設定となり、アクセスにはやや手間取る。専用ボタンとして、手ブレ補正ボタンとフェイスクリアーボタンがあるが、それよりも感度選択や露出補正用のボタンが欲しかった。

 AFは、測距点が中央固定になる通常モードのほか、画面内の99カ所から測距点を選べる。前作COOLPIX S4とは異なり、AFの測距点は液晶上に表示される。ただしシャッターボタンを半押ししても、液晶上に絞りやシャッター速度は表示されないのは残念だ。

 フルオートカメラだと割り切って、設定をカメラ任せにして使うのが向いている。撮影モードは、プログラムオートのほか15種類のシーンプログラムに対応。そのほか、音声レコードや動画モード、連写モード、インターバル撮影、一定間隔で撮った静止画から動画を作る微速度撮影などの機能を備える。

photo 液晶モニターには、従来機よりも精細化した2.5インチ約23万画素のTFTを採用する
photo 背面のモードボタンを押すと、静止画、動画、シーンプログラム、音声の4モードのアイコンが表示する
photo 電源は、従来の単三形電池からリチウムイオン充電池に変更。CIPA準拠の寿命は約300コマとなる

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