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CEATECで見つけた4つの次世代トレンド麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」(1/4 ページ)

» 2006年10月20日 11時49分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 国内最大級の情報通信・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN」は今年も大いに盛り上がった。開幕直後の発表ということで前評判も高かったソニーのBDレコーダーが2層記録非対応といった“肩透かし”もあったが、SEDは今回フルHD対応55インチを展示するなど話題性は十分。

 今回の「デジタル閻魔帳」は、今年もCEATEC講演/セミナーに引っ張りだこだったオーディオビジュアル評論家の麻倉怜士氏に、「CEATECで見つけた4つの次世代トレンド」というテーマで語ってもらった。

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――今年のCEATECのトレンドを教えてください。まずはディスプレイ分野からお願いします。

麻倉氏: 今年もさまざまな新技術/新提案/新製品が華やかだったCEATECですが、ディスプレイの分野では“先の時代”に向けた取り組みに注目しました。現在、ディスプレイの世界では、フルハイビジョン(フルHD)というキーワードが話題となっています。この言葉は一昨年ぐらいに出てきて広まっていますが、たしかにフルHDは主役ではあるもののすでに普及段階にあり、もはや次世代を占うものではないのです。

 今後はフラットパネルディスプレイの画質をどう上げていくのか、フルHDを今後どう昇華させていくか、そもそもテレビは液晶/プラズマだけでいいのかというところを見極めなければいけないのです。その意味で、SED陣営が55インチを4台(東芝ブースの1台含む)用意してきたのが画期的でした。

photophoto SEDブースで展示された55インチフルHDのSED

――SED自体は2004年のCEATECから登場していますよね?

麻倉氏: ええ。一昨年の2004年のCEATECに36インチをお披露目し、昨年は36インチを14台出展しました。ですが、36インチと55インチでは同じSEDでも根本的に構造が違うのです。36インチは解像度が720pでしたが、今回の55インチはフルHDです。大きさを見ても36インチというのは“モニター”の画面サイズで、コンテンツの感動というところまでは表現できないのです。36インチのハイビジョンならブラウン管でもありましたからね。55インチというサイズは、NHKがハイビジョンをアピールする時に壁掛けテレビの標準的なサイズとして設定した大きさです。テレビの大画面・フルHD時代に対応できる55インチというサイズでフルHDのSEDが登場した意義は、非常に大きいのです。

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