――「ウォークマン」としては初めて、スリムなカードタイプのボディデザインを採用したのも大きな特徴だと思います。また、搭載する液晶は2インチですが、なぜこのサイズに落ち着いたのでしょう。
木野内氏: NW-A1000/3000はボディデザインの評価が分かれたこともあり、同じAシリーズを名乗るこの新製品で連続性のあるデザインにするかは議論がありました。最終的には踏襲することになったのですが、「重い」「ボタン位置が下すぎる」といった操作性に直結する部分は特に注意して見直しました。
NW-A1000/3000のデザインそのものについては海外で著名な賞を受賞するなど評価されていた部分もあったので、良い部分は残し、改良を進めた結果が新製品のデザインと言えます。
液晶については画面サイズよりも解像度が大切だと考えました。市場に存在する携帯プレーヤー用の動画コンテンツを見渡すと、QVGAは確保したかったんです。そのうえで、1.8インチ以上の画面サイズならば十分視聴に耐えるクオリティを確保できると判断し、2インチ/QVGAの液晶を搭載することにしました。NW-A1000よりも薄く・小さくするというボディサイズの目標もサイズ決定に大きな影響を及ぼしています。
――高いクオリティの液晶を搭載し、音楽も動画も楽しめるとなると、競争相手は携帯プレーヤーではなく、高機能化が進む携帯電話になるようにも思えますが。携帯電話は意識しますか?
木野内氏: 携帯電話もライバルだとは思いますが、意識しすぎるとなにも作れなくなってしまいます(笑)。動作の機敏性や、バッテリーライフ、音質など、専用機としてできることを考え、アピールしていきたいですね。
――今回は最大容量の製品でも8Gバイトです。大容量化が実現できるHDD搭載タイプは検討しなかったのでしょうか。
木野内氏: HDDを搭載すると確かに容量は増加できますが、ボディサイズが大きくなってしまいますし、消費電力も増大してしまいます。手元にある音楽/動画のライブラリをすべて携帯したいという要望があることは理解していますが、今回は「携帯音楽プレーヤー」というコンセプトを優先し、あえてHDDタイプは見送りました。
(後編)に続きます。
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