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群を抜くディスプレイの美しさ――アイリバー「Clix2」レビュー(3/3 ページ)

» 2007年04月19日 12時07分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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音楽プレーヤーとしても秀逸

 音楽再生についても基本的な操作体系は動画再生時と共通だ。メインメニューで「Music」を選択し、アーティスト名やアルバム、ジャンルから選曲する。右の長押しからは再生モード変更のほか、イコライザーの適用などが行える。事前にiriver plus3での登録が必要だが、ジャケット画像の表示も可能だ。

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 サウンドをひと言で言えば、出力の高いドライなサウンド。中高域にハリがあり、元気のよさを感じさせる。伸びも十分だが、繊細な雰囲気はあまりなく、ロック系に適してるといえる。選択できる音質効果にはRockやBass、Jazzといった一般的なイコライザーに加えて、立体音響+低音強調+音像輪郭強調の「SRS WOW HD」といったものも用意されているが、いずれにしても効果はかなりドラスティック。ちょっとしたニュアンスの変化だけを求めるならば、CustomEQで少しだけイジったほうが良さそうだ。

 全体としては操作に対するレスポンスも機敏で操作していてストレスを感じることはないが、移動時にホールドしないでポケットへ入れてしまい、ふとした弾みでiriver D-click systemを操作してしまうことが多々あった。これは不注意と言ってしまえばそこまでだが、もう少しホールドスイッチだけでも大きくするなどの配慮があってもいいと感じた。

 そのほか、JPEGビューワーやFMラジオ、ボイスレコーディングなど最近のポータブルメディアプレーヤーが備える機能は一通り備えている。特に静止画表示時におけるAM OLEDディスプレイの効果は高く、解像度そのものは一般的なQVGAで、サイズも最新デジカメに劣る2.2インチながら、非常に美しく画像を表示してくれる。

photo 写真写りのせいで少々白っぽくなってしまっているが、コントラストが高く、非常に美しく画像を映し出す

 第5世代iPodや新型ウォークマン(NW-A800)の登場でにわかに脚光を浴びた感のある小型のポータブルメディアプレーヤーだが、同社は2005年6月発表の「U10」から製品展開を続けており、本製品では簡便な操作性やこなれたインタフェースにその歴史の積み重ねを垣間見ることができる。なによりAM OLEDディスプレイの美しさは特筆もので、ぜひ一度実際に自身の目で確認してもらいたいところだ。

 対応コンテンツの入手性という側面を取りあげれば、iTunes Storeを有するiPodやP-TVなどグループ全体の支援があるウォークマンに比べると弱い部分があるとも感じるが、ハードウェアとしての完成度は高い。2Gバイト版で2万2800円、4Gバイト版で2万7800円(いずれ直販価格)と昨今のフラッシュメモリプレーヤーとしては高価な部類に入ってしまうが、iPodでもなく、ウォークマンでもない第3のプレーヤーとして登場を歓迎したい製品だ。

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