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» 2007年05月24日 09時17分 UPDATE

人とくるまのテクノロジー展:見えてきた、電気自動車という選択肢 (1/2)

ゴルフカートのようなクルマ――そうしたイメージを覆す、“普通な”電気自動車が3年後には普通に街中を走っているかもしれない。

[渡邊宏,ITmedia]

 パシフィコ横浜にて開催されている、自動車関係の総合技術展「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2007」。今年で16回目を迎えるこの展示会には過去最高となる388社が出展、主催の自動車技術会が創立60周年を迎えることもあり、会場には過去10年間の自動車技術の進歩をまとめた「くるまの技術、この10年」など特別展示も設けられ、多くの来場者でにぎわっている。

 この展示会は自動車の「技術」に関する展示が主であり、デモカーやコンセプトカーといったクルマそのものの展示は数えるほどしかないが、先進的な車両が展示され注目を浴びている場所がいくつかあった。ガソリン以外の動力源を模索する、新たな自動車たちを展示するブースだ。

 ガソリン以外の動力源を利用する自動車として、最も認知されているのはトヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」だろう。1997年のデビュー以来、ガソリンと電気という2つの動力源をミックスすることで環境への負荷を下げる新しいクルマの形を模索し、提案し続けてきた先駆者だ。

photo 1997年に登場した初代プリウス

 ガソリンのほかにニッケル水素充電池を動力源として搭載したプリウスは進化を続け、最新モデルでは30キロメートル/リットル(10・15モード時)を上回る低燃費性能を実現。課題とされてきたモーター駆動時の加速性能も飛躍的に改善されている。しかし、プリウスもガソリンを動力源とすることには変わりなく、そうした意味ではこれまでの「自動車」の枠内で、最大限に環境へ配慮するアプローチ自動車であると言える。

 そこで近年、まったく「ガソリンを使わない」という手法を選んだ自動車に注目が集まっている。本田技研工業の「FCX」は水素燃料電池を利用してリッターカー並みの能力を実現したほか、2006年秋に発表された改良型の「FCXコンセプト」では航続距離を570キロメートル(既存FCXは430キロ)まで延長したほか、運動性能も向上させ、「2.5リッタークラスの加速性能」(同社)も手にしている。

photophoto FCXコンセプト

 水素燃料電池は燃料の水素と外気から取り込んだ酸素をスタックと呼ばれる装置で結合させて電気をおこしてモーターを駆動するため、排出されるのは水だけと非常にクリーン。走行において環境へ与える負荷は非常に小さいと言えるが、スタックの効率化や耐久性、なによりも水素という現在一般に流通していないエネルギーを利用することについて、社会的なインフラがほぼ皆無であることが大きな課題として挙げられる。

 そこで最近、社会的な供給インフラがガソリンと同レベルまで整ったエネルギーを利用するクルマとして、本格的な実用化に向けて急速に進歩しているのが電気自動車だ。

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