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押し入れのカビを撃滅せよ!――ミニ除湿器橘十徳の「自腹ですがなにか?」第4回(2/2 ページ)

» 2007年05月29日 08時43分 公開
[橘十徳,ITmedia]
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 スイッチを入れると上面の吹き出し口が紫色に光る。それほど眩しい光ではないので、暗い中で使ってもあまり気にはならない。吸気口は本体前面に、吹き出し口は上面に配置されている。吸気口にはフィルターがなく、なぜか吹き出し口にフィルターが装着されている。

photophoto スイッチを入れると吹き出し口の部分が光る(左)。上面の光触媒フィルターは取り外して掃除できる

 このフィルターには光触媒機能が付いていて、日光や蛍光灯などの光に反応して悪臭や細菌などを取り除いてくれるらしい。ワタクシの場合、この手の謳い文句は正直言ってあまり信用していない。それよりは、基本的な除湿機能さえしっかりしていてくれればいい、と思ってしまう。

 その除湿能力だが、公式スペックは気温30度、湿度80%の環境で1日に250ミリリットル。コンプレッサー式だと1日5リットルくらいは取れるので、それに比べると圧倒的に非力だ。

 実際に使ってみたところ、最高気温25度前後、最低気温15〜18度、そして低湿度の日が続いた5月中旬では、500ミリリットルのタンクが満タンになるまで5日間もかかった。ただ、除湿器というのは室温や湿度が上がればどんどん除湿量が増えるものなので、梅雨になれば公式スペックに近付いていくと思われる。押し入れやシンク下などの小さな空間で使うならこれでも十分だろう。

 ちなみに電気代は23.4ワットと、かなりおトクだ。室温が下がる冬には、暖かい部屋でしか使えないと考えた方がいい。

タンク蓋の取り外しと動作音に難

 水タンクは、普通の除湿器のように満水を感知すると自動的にスイッチが切れるようになっている。水タンク自体の取り外しは、少しきつめではあるが一応スムーズに脱着可能だ。タンクを取ったら小さなゴムキャップを引き上げて排水する仕組みになっていて、この使い勝手も実にいい。

 ただ、タンク内部を洗浄するためにタンクの蓋を外すときが少し面倒だ。ツメで引っかかっている部分が固くて、外すのが一苦労なのである。タンク内部は水垢がどうしても溜まるので、定期的に洗浄する必要があるのだが、いつかツメを壊してしまいそうで怖い。この点についてはマイナスポイントだ。

photophoto 水タンク。排水時はゴムパッキンを外す(左)。水タンクを外して下部から中を覗くとフィンが見える(右)

 また、動作音も正直言って静かとは言い難い。コンプレッサーの音はしないものの、ファンがうるさいのだ。本体が小さいから必然的にファンも小型になり、その結果として騒音レベルが上がるのは仕方ないのかもしれないが、もう少しなんとかしてほしかった。ただし押し入れなどに入れて密閉してしまえば、我慢できるレベルではある。

 このような問題はあるが、やはり除湿器本体が小さいというのはかなり便利だ。洗い物を終えたあとにシンクの下を乾かしたり、靴箱の中を定期的に乾燥させたりと、スポット乾燥用として色々な用途が考えられる。除湿剤を買うのが面倒だという人は、ランニングコストに電気代しかかからないこの機器の導入を検討してみてはいかがだろうか。あくまでも小さなスペース限定で使う機器なのだということを知った上で、コンプレッサー式やデシカント式などの一般的な除湿器と、うまく使い分けていただきたい。

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