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笑顔を逃さないカメラ――サイバーショット「DSC-T200」レビュー(3/5 ページ)

» 2007年09月05日 18時02分 公開
[小山安博,ITmedia]

笑顔をとらえてシャッターチャンスを逃さない

 DSC-T200の魅力は大型液晶とタッチパネルだけではない。最大の特徴が新機能の「スマイルシャッター」だ。スマイルシャッターは、顔検出機能を応用し、検出された顔の表情が笑顔だったらシャッターを切る、というもの。

 スマイルシャッターは、シーンセレクションで「スマイルシャッター」に設定すると利用できる。試してみるとこれが面白い。十分な確率で笑顔をとらえてくれる。

photo モード切替アイコンからシーンセレクションを選び、スマイルシャッターを選ぶ

 スマイルシャッターは、データベース化した顔画像を元に被写体が笑顔かどうかを判別するが、精度としては悪くない。デフォルトだと、ほほ笑みぐらいの場合に検出できないこともあったが、笑顔検知レベル(3段階に調整できる)を調整することで、検知できた。

photo スマイルレベルの変更は撮影設定の2ページ目と深い階層にある

 笑顔検知のいいところは、笑ったときにしかシャッターが切れない、という点だ。狙って撮ったつもりでも、笑顔の瞬間を撮影するのは難しい。その点、スマイルシャッターは主要被写体の顔を検知したら自動的にシャッターを切るので、モード設定だけしておけば決定的瞬間を撮影できる、というわけだ。

 特に赤ん坊はいつ笑うか全く読めないが、これを使えば笑った瞬間をうまく撮影できる。自分撮りをする場合も、シャッターを押しておいて笑顔をすれば、それでシャッターが切れるので快適。

 複数の人がいる場合は、その中の1人の顔をタッチパネルでタッチすると、それが「スマイリスト(主役)」になり、その人が笑った瞬間に撮影できる(スマイリストを選択しない場合はカメラが自動で設定する)。この機能はセルフタイマーがわりに使うこともでき、笑うだけでシャッターが切れるのが面白い。

 撮りたいヒトの表情はなにも笑顔に限らないが、かといってスマイルシャッターを否定する理由にはならない。友達や恋人とのイベントごとや子供の表情を撮る場合、笑顔を撮りたい場合は多いので、確かにスマイルシャッターの存在は理にかなっている。

 スマイルシャッターのままで撮ろうとしてシャッターが切れず、狙った表情が撮れなかったというミスも起こり得るが、スマイルシャッターは十分便利に利用できる。むしろシーンモードではなく、常時表示されるアイコンで選択できれば、よりいっそう使いやすくなったと思う。

 ソニーの顔検出機能「顔キメ」は、顔優先のAF、露出、ホワイトバランス、美肌補正に加え、顔が斜めを向いていても検出しやすく、顔の追尾も速い。こうした基本性能の高さに加え、新たにスマイルシャッターを搭載してさらに魅力を増している。

DSC-T100を踏襲した使い勝手の良さ

 通常の撮影機能に関しては前モデルのDSC-T100を踏襲。レンズはCarl Zeiss Vario-Tessar、光学ズームはは5倍で、光学式手ブレ補正を内蔵。ISO感度は最高ISO3200までサポートし、手ブレ補正+高感度で手ブレ・被写体ブレを防止できる。

 前面には下にスライドさせるタイプのレンズカバーが上部3分の2を覆い、カバーをスライドさせるだけで起動する使い勝手は相変わらずいい。

photophoto レンズカバーはシャキッとスライドして気持ちいい

 レンズは屈曲式でせり出さないため、電源オフもスライドを上に上げるだけ。素早い電源オン/オフが可能だ。

 右手人さし指をシャッターボタンにかけ、包み込むように親指で背面の右端を支えるようにホールドすると、親指が液晶に触れてしまい、タッチパネルが反応して撮影ができない場面に遭遇した。

 T200は人さし指をシャッターボタン、親指を底面に添え、つまむようにして両手で構えればいい。全面タッチパネルのためちょっとした配慮が必要だが、タッチパネルの便利さを考えれば許容できるレベルだろう。

 DSC-T200は、タッチパネルの使い勝手をさらに高め、スマイルシャッターの搭載で新たな境地を切り開いた意欲作だ。タッチパネル自体は決して目新しくはないし、スマイルシャッターも顔検出の応用だが、全面タッチパネルで新感覚の操作性を実現、笑顔の瞬間にシャッターが切れることで成功写真の精度を高めてくれる。

 実際に試してみないと伝わりにくいかもしれないので、是非一度、店頭でこの2つの新機能を試してもらいたい。

photo バッテリーはDSC-T100よりも小さくなった。そのおかげでタッチパネルを搭載しながらボディは薄型化したが、撮影可能枚数はCIPA規格でT100の340枚から250枚に減少している

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