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第3世代iPod nano、使ってみてわかったこと(後編)レビュー(1/2 ページ)

» 2007年09月11日 08時30分 公開
[松尾公也,ITmedia]

動画を再生してみる

 前編に引き続き、新型iPod nanoの目玉機能である、動画再生を試してみることにしよう。

photo ムービー、テレビ番組、ミュージックビデオ、ビデオポッドキャストの4種類が視聴できるが、ビデオポッドキャストのみ「Podcast」から選択する

 iPod nanoで見ることができるビデオは4種類ある。ムービー、テレビ番組、ミュージックビデオ、そしてビデオポッドキャストだ。このうち最初の3つはトップの「ビデオ」メニューからアクセスできるが、ポッドキャストだけは「Podcast」メニューに含まれている。

 ちなみにiPhoneではビデオポッドキャストの再生は「ビデオ」メニューからしかできない。iTunesの同期メニューにおけるコンテンツの選択方法も、デバイスによって異なるようだ。iPod nanoのビデオ選択方法のほうが、ムービーをタイトル毎にチェックするしか方法がないiPhoneよりも使いやすいように思える。

 ビデオ再生では、「TV出力」「TV信号」「フルスクリーン」「キャプション」のオプション設定がある。「キャプション」は、iTunes 7.4で初めてサポートされた機能で、米国のクローズドキャプション(CC)を実装したものだ。現在はまだコンテンツ側が対応していないため、利用できない。

 これに関連して心待ちしている機能がある。それは、二重音声のオプションだ。映画やテレビ番組で英語と日本語のどちらかを選択して再生できる機能はPSPなどにはついているが、iTunesもiPodも実装されていない。

米国以外でのテレビ番組配信が英国を皮切りにスタートし、手塚プロダクションが「鉄腕アトム」などのテレビ番組を米iTunes Storeで販売するなど(関連記事:「鉄腕アトム」ほか手塚アニメ、米iTunes Storeで販売開始)、日本でもテレビ番組をiTunes Storeで販売したいという機運は高まっている。そのために必須なのはこの二重音声だと思うのだが、そろそろ実装してみてはいかがだろうか。キャプション機能でせっかく字幕が表示できるようになったのだから。

 今回再生したのは、ビデオiPod用として米国iTunes Storeで販売されている長編映画、日本のiTunes Storeで売っているミュージックビデオ、MPEG-4レコーダーの「い〜レコ2」(レビュー)で録画したビデオ。そして、フォーマットの互換性を確認するため、Appleのサイトで公開している720P用の映画トレーラーをQuickTime ProでビデオiPod用、Apple TV用、iPhone用に変換したものを用意した。

 結論からいうと、Apple TV用に変換したトレーラー以外はすべて再生はできた。ちなみに、再生できなかったApple TV用ファイルは、H.264デコーダ、800×544、2429.8Kbpsだった。

 iPod nanoが対応するビデオフォーマットは、Appleの仕様によれば、次のとおり。

ファイル形式 ビットレート 解像度 最高fsp 映像プロファイル(音声プロファイル) 音声サンプリングレート 音声フォーマット
H.264ビデオ 最高1.5Mbps 640×480 30fps Low-Complexity1.3のBaselineプロファイル(最高160KbpsのAAC-LC) 48kHz .M4V/.MP4/.MOVファイルフォーマットのステレオオーディオ
H.264ビデオ 最高2.5Mbps 640×480 30fps レベル3.0までのBaselineプロファイル(最高160kbpsのAAC-LC) 48kHz .M4V/MP4/.MOVファイルフォーマットのステレオオーディオ
MPEG-4ビデオ 最高2.5Mbps 640×480 30fps Simpleプロファイル(最高160KbpsのAAC-LC) 48kHz .M4V/.MP4/.MOVファイルフォーマットのステレオオーディオ

 なお、この仕様はiPhoneおよびiPod touch、iPod classicと同じ。違いは画面サイズとppi、すなわち緻密さだ。iPod nanoの2.0インチ画面は204ppi。目元まで相当近づけないと、ピクセルを確認することはできない。

photophotophoto 動画再生の画面(左)、iPhone用に生成した動画も再生できる(中)、センターボタンを3回押すと出てくる輝度調整画面(右)

 再生画面は音楽の場合とほぼ同じだが、センターボタンを押したときの動作がちょっとちがう。3回クリックすると出てくるのはシャッフルの設定ではなく、輝度調整だ。

 2インチ以上のディスプレイを備えたメディアプレーヤーの中では、iPod nanoは間違いなく最小、最軽量だ。てのひらにすっぽり収まってずり落ちないnanoは、その状態で視聴してもいいし、片手の人さし指と親指で端っこをつまんでもいい。重さを感じず気楽なスタイルで映画なりテレビ番組を見ることができるというのは実にすばらしい体験だ。iPhoneやiPod touchがあれば十分と思うかもしれないが、これはこれでアリだと思わせる。画面が明るいので、外光の中で見ても大丈夫。

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