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» 2007年11月02日 15時21分 UPDATE

100% DESIGN TOKYO:テクノロジーが変える照明デザイン (1/2)

テレビの薄型化が示したように、技術の進歩はインテリアに変革をもたらすものだ。室内を演出する“灯り”も例外ではない。100% DESIGN TOKYOの特設テント「100% LIGHT」では、最新技術とデザイナーのセンスがもたらした新しい“灯り”を感じとることができる。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 10月30日に開幕した「東京デザイナーズウィーク」。メイン会場となった神宮外苑前の一角にプロトタイプを中心に最新の照明機器を集めた特設会場「100% LIGHT」のテントがある。

photophoto 巨大な「LOVE BUTTON」が目印の神宮外苑前メイン会場。会期は11月4日まで。入場料は2000円
photophoto CO/EXブースで見つけた「kotori」(小鳥)は、メタル製の小鳥で形作られたシャンデリア。クチバシの部分を指先にのせると、ヤジロベエのようにバランスをとり、ゆらめく。反射する光の美しさもさることながら、壁に映し出される小鳥のシルエットもキレイだ。製品化は来年早々の予定。まずは小鳥を単体で販売し、その後でハロゲンランプと組み合わせたキットが登場する予定だ

 「100% LIGHT」の中を一回りすると、ハイテクな照明がいくつもある。まず注目したのは、無機ELパネルを使用した室内照明。アイ・デザイン(i・DESIGN)ブースでは、白く柔らかい光を出す薄い無機ELシートを利用した8つのアイテムを展示していた。

photophoto 丸い分針が隠すことで月の満ち欠けを描き出す「Luna Clock」(左)

 中でも面白いのがランプシェードの形をした無機ELスタンドだ。外観は完全に普通の電気スタンドだが、上から覗き込むと電球がない。ランプシェード自体が光っているから当たり前といえば当たり前なのだが、「知らない人が見たらきっと驚きます。その意外性が面白い」。なるほど、デザイナーの遊び心だった。

photophoto 光っているのに電球はない「Light Light」。ずいぶんと贅沢なイタズラアイテムである。予価は3万5000円

 このほかにも、無機ELで形作った月を、丸い分針が隠すことで月の満ち欠けを描き出す「Luna Clock」、白い光を生かして雪の結晶をモチーフに複雑な模様を描き出した「雪 Yuki」。細くした無機ELを編み込んで竹細工風に仕上げた「Cloth Light」「Chandelier Book」など、斬新なアイデアのライトが多い。ぼんやりと白く光る灯りは、見る者に神秘的な印象を与える。

 一方、無機ELと聞いて気になるのは、やはり価格と製品寿命だろう。以前よりだいぶ安くなったとはいえ、現在でも部材はA4サイズ1枚で1万円程度はする。また寿命に関しては、「輝度が半分になるまでの寿命は、1日3時間ほどの使用で1000日程度」(同社)と、やはり厳しい。電球よりは長いが、LEDよりかなり短いうえ、簡単に交換できるモノではない。一般化するには一層の技術革新が求められる。

 ただ、ちょっとセレブなインテリアライトとしては十分に市場が見込めそうだ。たとえば前述のスタンド類のように民生用途を前提とするなら、量産効果による値下げは十分に期待できる。事実、製品化が近いというスタンド3製品には3万5000円から2万円というプライスタグが付いており、「PSE法をクリアして生産体制を整えれば販売できる。1年後くらいに製品化したい」(同社)としている。

ヒノキの薄板

 趣のある木の照明は、DI CLASSEの「auro-wood」シリーズ。紙のように薄くした木材からこぼれる灯りが暖かそうだ。

photophoto DI CLASSEの「auro-wood」シリーズ

 しかし眺めているうちに、カンナクズのように薄くした木に強度はあるのか。あるいは熱で焦げてしまわないのか? など、いらない心配も沸いてくる。ブースの担当者に尋ねてみると、「たしかに木の板ですが、強度を高め、スタイルを維持するために中にポリプロピレンの板が入っています」という。とても薄く見えるが、実はポリプロピレンの板を挟み、薄いヒノキの突板を前後に重ねた“3層構造”になっているのだ。「熱も白熱灯程度なら全く問題はありません」。

 auro-woodシリーズは、現在ペンダントライトを販売中。価格は2万5200円から。今後、スタンドタイプやテーブルランプもラインアップに加える予定だ。

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