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» 2007年11月23日 05時20分 公開

SFC ORF 2007:3Dパラパラ漫画から“2代目”8輪電気自動車まで (1/2)

東京・六本木ヒルズで「慶応義塾大学SFC Open Research Forum 2007」が開幕した。SFCで研究されている最先端技術はもちろん、学生たちの自由な発想によるユニークな研究成果をたくさん見ることができる。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 11月22日、東京・六本木にある「アカデミーヒルズ40」で「慶応義塾大学SFC Open Research Forum 2007」が開幕した。SFCで研究されている最先端技術にくわえ、学生たちの自由な発想によるユニークな研究成果をたくさん見ることができる。もちろん、中には「こ、これは一体……」というものも含まれている。

3D パラパラ漫画?

 「ZoePoliTeope」は、珍しい立体造形物によるアニメーション。12体のサルが載った円盤を回転させ、角速度の緩急によって映像と同じ効果を生み出すという。つまり、下の円盤を“サルとサルの距離”ぶんだけ素早く動かし、ちょっと休憩させる。これを高速で繰り返すと、人の目には同じサルが体勢を変えたように見えるというわけ。立体的なパラパラ漫画といえば分かりやすいかもしれない。

photophoto 実は展示パネルにスペル間違いがあって、本当は「ZoePoliTrope」だそうだ。ヨーロッパで発見された動画装置Zoetrope(ゾエトロープ)と「もっと」「多い」などを意味するラテン語のPoliを融合した造語らしい

 円盤が動く距離(一回に回る角度)を微調整すると、サルが前に歩いていくように見えたり、逆に後ずさりしたようにも見える。また従来のアニメや映画フィルムと違い、ストロボなどの光学的要素を排除した点もユニークだ。

行動履歴による“好みのお店”検索

 趣味や行動パターンが似ている人から得た情報は、自分にとっても有益であることが多い。インターネットの掲示板など、特定のコミュニティに集う人たちは、それをよく理解しているはずだ。

 しかし、本当に趣味嗜好が合う人がいるのか判断することは難しく、また環境や地理的な問題、あるいは金銭的な都合で参考にならない情報も多い。これらの障害を取り除き、自分にとって有用な情報だけが自動的に配信されてくるとしたら? そんな都合のいいシステムを考え出したのが、小川研究室の「カフェの未来」だ。

photophoto 「カフェの未来」のデモ。近隣の飲食店やイベントなどスポット情報が次々に表示される

 テーブルに組み込まれたディスプレイには、近隣の飲食店やイベントなどスポット情報が次々に表示されている。情報ソースは、近くを歩いている人々がリアルタイムに書き込んでいる掲示板のようなものだという。

 この設定にはツッコミ所もありそうだが、ポイントはそこではない。書き込まれたさまざまな情報の中から、ユーザーに合った情報を抽出するためのインデキシング技術である。

 書き込まれた情報には、携帯電話のGPSや基地局を利用して位置情報が付加されていて、書き込んだ人がどのような店やスポットに立ち寄ったかという行動履歴を導き出せる。さらに時間の情報も加えて行動の“特徴”を抽出。特徴点を集めた“行動モデル”をインデックス化して、個々の行動モデルの距離(似ている度合い)を検索に利用すると、ユーザーと行動パターンの近い人を効率良く抽出できる。

 つまり、お店の好みはもちろん、場所や時間、あるいは食事に使う金額(店の客単価)まで近い人のコメントが自動的に導き出される。携帯電話に通信機能やGPSが標準搭載される時代だけに、(デモの設定はともかく)検索の新しいアプローチとして注目したい技術だ。

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