ソニーから「ウォークマン Aシリーズ」の最新モデル「NW-A820シリーズ」が登場した。トンがった機能が満載というわけではないが、Bluetoothによる通信機能を搭載し、使い勝手のいい製品に仕上がっている。
本製品は一見するとワンセグチューナーを搭載した「NW-A910シリーズ」(レビュー)とほぼ変わらない。カード型のボディに2.4インチの液晶を搭載し、下部に3つのボタンが配置されている。NW-A910シリーズとは若干ボタンのデザインが違うが、使い方自体は変わらない。
高級感のあるボディの仕上げと光沢のある材質のため、凝縮感のあるデザインとなっているが、持ってみると想像以上に軽い。質量は約59グラム。厚みも約9.3ミリと薄く、サッと持ち出して気軽に扱うのに適したサイズだ。93.9(高さ)×51(幅)×9.3(厚さ)ミリだから、NW-A918(NW-A910シリーズの8Gバイトモデル 86.8×48×12.3ミリ/約74グラム)より高さと幅は微増、厚みと重さは微減となる。
全体的なデザインの傾向はNW-A910シリーズと変わらず、未来的と表現できそう。メタリックな外観は男性の方が好むかもしれないが、女性でも十分スタイリッシュと感じてくれそうだ。カラーバリエーションはピンク/ブラック/ホワイトの3色だが、ソニースタイルオリジナルとしてゴールドも用意されている。
下部のボタンは、中央に5方向ボタン、右にOPTIONボタン、左にBACK/HOMEボタンが配置されており、左右のボタンはNW-A910シリーズの正方形から細長い長方形に変わった。ボタンのサイズそのものは小さくなったが、特に押しにくいとは感じなかった。
本体側面には右側に音量調節ボタン、Bluetoothボタン、HOLDスイッチが並び、上部にはノイズキャンセリングスイッチが配置されている。下部にはWM-PORTとイヤフォンジャック。ボタン数は特に多くなく、使い方もシンプルだ。
イヤフォンジャックが底面にあるため、ネックストラップで首からぶら下げると使い勝手がいい。そのまま持ち上げると自然と上下が反転して見やすい形で操作できるからだ。反面、クレードルに設置する時はその都度、イヤフォンを外さなくてはいけないのが少々手間ではある。
NW-A910シリーズは特徴的な機能としてワンセグを備えていたが、本製品で特徴的なのがBluetoothの搭載だ(ワンセグ機能は非搭載)。BluetoothはAVRCP 1.3とA2DPに対応し、ワイヤレスの音楽伝送が可能なため、Bluetooth対応のヘッドフォンやオーディオシステム、カーナビなどと接続して音楽を楽しめる(「Rolly」もだ)。なお、動画も音声だけならばワイヤレス伝送できる。
Bluetoothを利用するためには、まずHOME画面のBluetoothアイコンからペアリングを行う。ペアリングを行ったあとは、右側面のBluetoothボタンを長押しすることでBluetoothが起動、ペアリングを行った機器と接続される、という仕組みだ。付属イヤフォンはBluetooth非対応なので、Bluetoothを利用したい際には別途、対応機器を用意する必要がある。
最初のペアリング時こそ「HOME」画面から「Bluetooth設定」へアクセスする必要があるが、普段使う際には、単に側面のBluetoothボタンを長押しするだけなので利用は非常に楽。AVRCPをサポートするので、接続先のBluetoothヘッドフォンなどから音量や再生/一時停止といった操作を行うことも可能だ。
Bluetoothの設定項目はペアリング以外用意されていないので、ペアリングさえできれば利用に際して迷うことはないだろう。難点といえば、Bluetooth利用時にはバッテリーを消費してしまうことか。Bluetoothオフ時は36時間の音楽再生時間が、Bluetooth利用時は同15時間と半減以下になってしまう(MP3再生時)。
15時間利用できれば1日の利用では困ることはないかもしれないが、少々心もとないのも事実。長時間使うような場合は通常のヘッドフォンを使うといいだろう。また、電源が確保しやすい車内や自宅ではBluetoothオン、持ち歩き時にはBluetoothオフと使い分けてもいいかもしれない。
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