入浴剤はかなり薄いので、取り扱いには細心の注意が必要だ。力を入れたら割れてしまうし、濡れた手で触ったら溶け始める。そろそろと10枚のお札を湯船に運び、重ならないように散らしながら投げ込む。
これでバブリーなお風呂のできあがり。ぷかぷかと浮かぶ福沢さんの笑顔もあり、意外にも“それっぽいふんいき”に仕上がった。筆者の場合、バブル期は田舎で学生をしていたのでまったく実感がないのだが、当時の日本経済はこんな感じで浮かれていたのだろう(ちなみに卒業する頃にはバブルがはじけ、前代未聞の就職氷河期に突入していた)。
入浴剤の額面は拾萬円(10万円)なので、10枚で100萬円。不思議なもので、1回分の入浴剤が250円というと“結構なお値段”なのに、100万円分のお札風呂が250円なら安いと感じてしまう。さながら、バブル期の六本木でタクシーに指を3本立てるサラリーマンのように(3倍払うから乗せてくれの意味)、バブリーバブルバスは庶民の金銭感覚を狂わせる素養を持っているのかもしれない。
そんなことを考えながら撮影していると、笑顔の福沢さんに異変が発生! どんどん顔が膨らみ、お湯のちょっとした動きでゆがんでいく。時間にしてほんの十数秒だが、薄いお札はもう溶け出しているのだ。
もはや湯船の中は完全に福笑い状態である。そのままでは福沢さんが可哀想なので、シャワーでお湯をかけてあげると、すぐに大量の泡が立ち、お札風呂は完全な泡風呂に変わった。
泡風呂は暖かくヒノキの香りも良かったけれど、目的の“お札風呂”は体を浸す暇もなく泡と消えた。
そうか。 あぶく銭 は身につかない(残らない)というオチか。
バブリーバブルバス | |
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泉質 | 泡風呂。さわやかなヒノキの香り |
効能 | ちょっとだけバブリーな気分に浸ることができる。福笑いが楽しめる。体が温まる |
湯元 | バンダイ |
入浴料 | 1回250円 |
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