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» 2008年12月24日 20時18分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」Vol.30:成熟のREGZA「46ZH7000」で観るBD「善き人のためのソナタ」 (1/2)

従来型のCCFLバックライトを搭載した液晶テレビのなかで、もっとも完成度が高いと思えるのが東芝“REGZA”の「ZH7000シリーズ」。その画質をじっくりチェックする機会があったので紹介しよう。

[山本浩司,ITmedia]
photo 東芝「46ZH7000」。ZH7000シリーズにはほかに42V型と52V型が用意されている

 ここ数年、液晶テレビの高画質化の動きはめざましい。黒浮き、残像による動画ボヤケ、視野角の狭さが液晶テレビの課題とされてきたが、着実にその問題点を解決しつつある。なかでも、プラズマテレビとの比較のうえでとりわけ暗所コントラストの改善が急務とされてきた。今年、そこに抜本的なメスを入れてきたのが、ソニーとシャープである。

 バックライトにCCFL冷陰極管を使用した従来の液晶テレビは常に画面全体を光らせることになり、液晶シャッターだけの制御ではどうしても光漏れによる黒浮きが生じてしまう。そこで、ソニーはXRシリーズ、シャープはXSシリーズのそれぞれ2モデルに、LEDバックライトのエリアコントロール技術を投入し、暗いシーンで不要な発光を抑えることで、安定した黒を再現できるようにした。

 確かにその効果は目覚ましく、この両シリーズのテレビは、完全暗室で見てもプラズマテレビに負けない、しっかりとした黒を再現しており、ぼく自身、その墨痕鮮やかな映像に大きな感銘を受けた。

 一方、従来通りCCFL冷陰極管を用いた液晶テレビも着実にハイコントラスト化が進んでいる。XR、XS両シリーズの黒再現に感心しながらも、そのエリア制御の難しさ、限界を感じるところがないわけではないし、100〜300ルクスの通常のリビングルーム照明下では、よくできた冷陰極管タイプですでにじゅうぶんなコントラストが得られるようになったのでは? とも思える。そんな今年の従来タイプの製品群のなかで、もっとも完成度が高い液晶テレビといえるのが、東芝の“REGZA”「ZH7000シリーズ」である。

 ここでは、その画質をじっくりチェックする機会のあった46V型「46ZH7000」の詳細についてお伝えしよう。

 46ZH7000に採用された液晶パネルは、120Hzの倍速駆動が可能なハーフ・グレア仕様のサムスン製広色域10ビットパネル。正面コントラストに強いVAタイプである。本機は300GバイトのHDDが内蔵されており、ネットワーク(USB&NAS)録画が可能なREGZAのプレミアムモデルという位置づけになる。

 内蔵HDDの録画モードはデジタル放送(MPEG2)のトランスポート・ストリーム(TS)信号をそのまま記録するTSモード(DRモード)のみ、リモコンの「録画リスト」ボタンを押して番組表を呼び出して簡単に予約録画ができる。また、東芝のHDDレコーダーの新製品「RD-X8」と本機をイーサネットケーブルでつなぎ、リモコンの緑ボタンを押してみたところ、簡単に本機に録画した番組をX8にダビングすることができた。「録画できる高級テレビ」ZH7000、その使用感も実に快適だ。

 また本機は、東芝自慢の映像信号処理システム「メタブレイン・プレミアム」を搭載、超解像技術「レゾリューションプラス」を仕込んだハイテク・モデルでもある。

photo レゾリューションプラスのデモ。左が超解像処理済み、右は従来のスムージング

 レゾリューションプラスは、簡単にいうと、低解像度画像の本来あるべき画素を独自のロジックに基づいて類推し、実際の観測画素値との誤差を最小にしていく「再構成法」技術。発想としては、ソニーのDRC(デジタル・リアリティ・クリエーション)にきわめて近い。具体的には、映像をテクスチャー部とエッジ部、平たん部の3つに分け、テクスチャー部にのみ、この超解像再構成技術を働かせて精細感をアップさせるように動作させている。エッジ部には独自のエンハンス処理を加え、平たん部には何も処理を加えない。

 このレゾリューションプラスが最も有効なのが、水平解像度1440本(1440×1080ピクセル)の地上デジタル放送である。NHK総合の国会中継でレゾリューションプラスのオン/オフを試してみたが、その効果は一目瞭然。オンにすると、答弁に立つ麻生首相の仕立てのよさそうなスーツの質感がにわかにアップし、ピンストライプの模様が一気に際立つのである。他の閣僚、代議士の安っぽいスーツとは明らかに違う高級品だということがよく分かる。

 エッジの処理がイヤらしくないので、画調が硬くならないのもいいし、肌色を検知して、その部分には超解像処理を加えないというパラメーター設定になっており、レゾリューションプラスを働かせても肌が汚くならないのもうまい。その代わり麻生首相のピンストライプスーツ、ゴルフ場の芝目や遠景でとらえたビルの窓の桟などで劇的な効果が得られる。さすが東芝技術陣、超解像の生かし方をよく分かっているなと思う。

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