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三菱初の3D対応プロジェクター「LVP-HC9000D」の実力を探るレビュー(2/3 ページ)

» 2011年05月18日 13時49分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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設置は2人で

 上級クラスのSRXDプロジェクターだけに、そのボディーサイズは482(幅)×530(奥行き)×215(高さ)ミリとかなりの大型。重さも14.5キログラムもあるので、念のため設置には2人がかりで行うのが無難だ。

 大型のため、テーブル下の設置などはギリギリはみ出さない程度。とはいえ、わが「極小シアタールーム」標準の設置場所、天井に近い天袋の部分には難なく収まった。

 設置さえ終われば、セッティングはかなり手軽な印象だ。配線は電源とHDMI、3Dエミッターとの接続ケーブルの3本だけで、レンズシフトやズーム、ピント調整は電動で行えるためとても簡単。水平や画面サイズの合わせなどは比較的丁寧に行ったが、それでも完了まで30分とかかることはなかった。このあたりの使い勝手の良さは、さすが上級モデルといえる。

 ちなみにLVP-HC9000Dは、3Dサングラスや3Dエミッター(別体式の3Dタイミング信号受光部)が別売となっているため、正確には“3Dレディー”製品(「3Dプロジェクター」ではなく「3D対応プロジェクター」)となる。3Dを楽しもうと思うと、本体だけでなく追加の予算も必要な点は予め注意してほしい。その3Dエミッターは、正面のレンズ下部に固定できるようになっているほか、スクリーンの反射では同期がうまくいかない場合のために、ロングケーブルも用意。スクリーン周辺の適宜な場所へ設置することも可能だ。

オプションとなる3Dエミッターの本体。プロジェクター全面に固定できるほか、長いケーブルを使用してスクリーン周りに設置することも可能だ(左)。別売の3Dサングラス。上下幅が比較的狭めの洒落たデザインながら、眼鏡をかけている人もそこそこ装着感が良好なところはうれしい(右)

オーソドックスな設定項目

 次にユーザビリティをチェックしよう。

 今回の視聴には、BDプレーヤーにマランツの「UD7006」を、AVアンプにパイオニア「SC-LX71」を使用した。残念ながらSC-LX71が3D信号に対応していないため、LVP-HC9000DとUD7006はHDMIケーブルでダイレクト接続する。またUD7006のHDMI出力は1系統しかないため、SC-LX71との接続はアナログケーブルを活用することとなった。

 また今回は使用しなかったものの、LVP-HC9000Dにはこれらに加えてトリガー端子も2系統用意されている。こちらは他機器と連動して動作させるためのもので、電動スクリーンや電動カーテンなどを使っている人などには便利に活用できそうだ。

入力はHDMIが2系統のほか、コンポーネントとコンポジット、S端子がそれぞれ1系統備わる。トリガーによって電動スクリーンなどを同調させることも可能だ

 続いてメニュー画面をチェックする。ビジュアル的にはオーソドックスなタイプで、とても実務的。操作自体はしやすかったものの、多岐にわたるカスタマイズ項目を備えるためか、取扱説明書なしでは内容を把握しづらい部分もあった。表記されているコメントが、何をコントロールするものなのか判断しづらいのだ。このあたりは、説明書を片手に色々試行錯誤を繰り返し、自分にとってのベストセッティングを探し出すしかなさそうだ。とはいえ、デフォルトの画質設定もなかなか上手い調整が施されているので、最初はこちらを利用し、不満が出てきたらそれをベースに少しずつカスタムしていくのが良いだろう。

設定メニューはとてもシンプルなスタイル。カラフルな配色にしたり絵を挿入するなど分かりやすさをもう少し工夫してほしいところ(左)。プリセットされている画質モード設定はシネマ、ビデオ、3D、ダイナミックの4タイプ。それに加えて3タイプのカスタム設定が行える(右)

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