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» 2012年06月29日 13時43分 UPDATE

橘十徳の「自腹ですが何か?」:測定結果をネットで共有できるGPS付き放射線カウンター「PiPi」 (1/2)

今回紹介するのは、GPSを搭載したガイガーカウンター「PiPi」。移動しながら計測することで放射線量を位置情報とともに記録し、専用サイトにアップロードすると測定データをGoogleマップ上で確認できる。ほかのユーザーと測定値を共有することも可能だ。

[橘十徳,ITmedia]

 原発事故を受けて、昨年から今年にかけて各メーカーから放射線カウンターが発売されているが、今回紹介する「PiPi」はふつうのガイガーカウンターと違って、GPSを搭載している。移動しながら連続的に放射線量を計測することが可能で、測定データを専用サイトにアップロードして地図上で確認することが可能だ。

ts_pipi01.jpgts_pipi02.jpg 「PiPi」。パッケージには単四形乾電池とUSBケーブルが同梱(どうこん)されている

 この製品を製造しているのはプリント基板のネット通販で知られるインフローという会社で、2011年9月からガイガーミュラー管単体での輸入販売や、ガイガーカウンターの制作キットの販売などを行い、年末にこの「PiPi」を発売した。海外製のガイガーカウンターが多い中、国内メーカーによるサポートや修理が受けられるのは魅力だ。

 説明書を見ると検査スタッフの印が入った出荷検査証明書がはられている。放射線の検出器はガイガーミュラー管「J304」で、Cs(セシウム)137で校正されて出荷される。なお、ガイガーカウンターの基本的な仕組みについてはPiPiのサイト(http://www.p-ban.com/pipi/feature.html)に詳細が載っているのでこちらを参照してほしい。

 ちなみにこの「PiPi」は、ユーザーが1台購入するごとに被災地に1台無償配布されることになっている。4月30日現在ですでに296台が無償配布されており、自治体や教育機関、JAなどで活用されている。同製品の公式サイト(http://www.p-ban.com/pipi/Free.html)にて無償配布を希望の団体からの申請も受け付けているので、興味のある方は確認していただきたい。

β線を遮へいするためのアルミカバーを装備

 PiPiのサイズは120(幅)×150(長さ)×22(厚さ)ミリ、質量は約120グラム。120ミリというのは最大幅であり、T字形になっているのでグリップ部分は握りやすい。

 バッテリーは単四形乾電池を2本使用。GPSオフ時の場合は1日1時間使用で約10日、GPS機能をオンにすると寿命は2〜3時間とかなり短くなる。GPSは電池食いなので仕方ないが、汎用電池が使えるので長時間使う場合はスペアバッテリーを多数用意しておくといいだろう。

ts_pipi03.jpgts_pipi04.jpgts_pipi05.jpg 本体はT字形デザインのため、スペック上のサイズより持ちやすい。本体裏に電池を収納する。

 電池は裏面のケースを開けてセットする。裏面には電池ふたのほかにもう1つふたがあるが、これはガイガーミュラー管にアクセスするためのふたで、開けるとアルミカバーが見える。このカバーはβ線を遮へいするためのもので、空間線量を測る場合はカバーを取り付けた状態で測定し、β線も測定したい場合はカバーを外して使う。カバーを外すとガイガーミュラー管が露出するので、触って傷つけないように注意が必要だ。

ts_pipi015.jpgts_pipi06.jpgts_pipi07.jpg 上部のカバーを開けるとβ線遮蔽用のアルミカバーが収納されている(左)。カバーをとるとガイガーミュラー管が見える(中)。取り出したアルミカバー(右)

 操作部にはGPSボタンとリセットボタン、放射線のカウントを知らせるCPランプ、GPSの使用を知らせるGPSランプを搭載。液晶ディスプレイには測定結果や時間が表示される。電源は本体横に小さいスイッチが搭載されており、ここで切り替える。操作ボタンが2つだけなので外観はすっきりしているが、その分、長押しや同時押しなどで操作しなければならないケースも多く、この点は少し面倒だ。

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