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» 2012年12月21日 15時39分 UPDATE

野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review:ハードロック好きの血が騒ぐ? フィリップスのヘッドフォン「L1」「M1」を試す (1/2)

近年はカナル型イヤフォンのイメージが強いフィリップスだが、今年は満を持して高級ヘッドフォン「L1」「M1」を投入した。長期試聴を行えたので、レビューをお届けしよう。

[野村ケンジ,ITmedia]

 フィリップスから、Hi-Fiオーディオシリーズ“Fidelio”初のヘッドフォンとして、「L1」「M1」の2モデルがデビューした。フィリップスのヘッドフォンといえば、近年はエントリークラスのベストセラー「SHE9700」や上級モデル「SHE9850」「SHE9900」など、カナル型イヤフォンのイメージが強く、ヘッドフォン、とくに高級ヘッドフォンの日本展開は数十年ぶりのこと。ほとんど新規といっていい、フィリップス製ヘッドフォンの長期試聴を行えたので、レビューをお届けしよう。

ts_philips01.jpgts_philips02.jpg 「M1」は密閉型ハウジングを持つオンイヤータイプ(左)、「L1」はセミオープン型ハウジングのアラウンドイヤータイプ(右)

 フィリップス「L1」「M1」は、日本では同時発売となったものの、地元ヨーロッパでのデビューは「M1」が先だった。昨年の「IFA2011」で「M1」が発表され、今年の「IFA2012」で「L1」が初披露されている。また、金属パーツとレザーを使ったシックなデザインアイデンティティーは共通であるものの、「M1」は密閉型ハウジングを持つオンイヤータイプ、「L1」はセミオープン型ハウジングのアラウンドイヤータイプと、そのスタイルもやや異なっている。

 ということで、まずは「M1」から詳細をチェックしていこう。

ハードロックやR&Bにぴったりの「M1」

 フィリップス“Fidelio”「M1」は、先にも述べたとおり、密閉型のハウジングを持つ、オンイヤータイプのヘッドフォンである。ドライバーは、ネオジウムマグネットを採用する40ミリ口径を搭載。ハウジング内の反響をコントロールする「バスレフレックスシステム」によって、臨場感のあるサウンドと力強い重低音を両立しているという。

 一方で外観は、アルミ素材のハウジング固定リングと、柔らかい触り心地のヘッドバンドカバーやイヤーパッドを組み合わせた、上品で大人っぽいスタイルを採用している。実際に装着してみると、低反発で触り心地の良いイヤーパッドによって、長時間の装着もオンイヤータイプにしてはなかなかに良好だった。そのあたりは、人間工学に配慮した製品作りが得意な、フィリップスならではのアドバンテージかもしれない。

ts_philips03.jpgts_philips04.jpg M1の外観。上品で大人っぽいスタイル

 加えて、興味深いのがケーブルシステムだ。基本的には着脱式で、iPhone/iPod/iPadに対応したマイク付きリモコンが付属しているのだが、その接続方法がとてもユニークだ。ヘッドフォン本体から10センチ強の直づけケーブルが出ていて、その先に用意されたステレオミニプラグにケーブルを繋ぐようになっているのだ。こういった着脱式ケーブルは、かなり珍しいと思う。もしかすると、引っ張りに対して外れやすくすることで、耐久性を向上させているのかもしれない。

 確かに、ケーブルの破損はプレーヤー側のコネクターや途中の断線が多いだろうから、この方法は有効に思える。また、一般的なステレオミニ端子の延長ケーブルが利用できるため、オヤイデの「HPC-62J」や「HPC-35J」などを利用することで、手軽にリケーブルできる(音質の変化を楽しむだけでなく長さやプラグのサイズもチョイスできる)のもうれしい。

ts_philips05.jpgts_philips06.jpg ヘッドフォン本体から10センチ強の直づけケーブルが出ていて、その先に用意されたステレオミニプラグにケーブルを繋ぐ

 さて、肝心の音はというと、伸びやかな中高域とタップリとした量感の低域による、抑揚感の高いダイナミックなサウンドが特長。モニター系というよりも演出派といったキャラクターで、ちょっとオーバードライブ気味というか、演奏者が全体的にかなり前進してきたような雰囲気があるが、その分熱気のある、前のめりな演奏が楽しめるのはうれしい。とくにボーカルの、感情表現の豊かさや勢い良さは特筆もの。ハードロックやR&Bを熱いサウンドで楽しみたい、という人にはもってこいだろう。

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