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「これ、フツーのヘッドフォンですよ」、「DTS HEADPHONE:X」が結構すごい(1/2 ページ)

» 2013年02月01日 18時39分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 米DTSが「2013 International CES」で披露したヘッドフォン向けの新しい音響技術「DTS HEADPHONE:X」。普通のヘッドフォンを使い、最大11.1chのサラウンド音響を実現するという。国内では初となるデモンストレーションを体験するため、dts Japanの新オフィスを訪ねた。

東京・初台にあるdts Japanの新オフィス。ビルの39階とあって眺めは最高。dts Japanの小玉章文代表と米DTSの会長兼CEO、Jon Kirchnner氏

オフィス内に新設した本格的なシアタールーム。音響技術をビジネスにする同社の場合、「とにかく、聞いてもらわないと始まらない」(小玉氏)。そのために立派なスタジオを作ったという。中にはフロントプロジェクターと11.1chシステムが設置されていた

 スタジオの中には、プロジェクターと11.1chスピーカーシステムが設置されている。さっそく席に着くと、まずはヘッドフォンを装着せずに音を聞くように促された。

 デモ用の音源は、フロントの左右から前後のハイトチャンネル(高い位置に設置するスピーカー)まで、1つずつ順に音を出していく。サラウンド技術やAVアンプのデモではよくあるタイプで、各チャンネルのセパレーションが確認できる。今回のシステムもよく調整されているようで(当たり前)、照明を落としたスタジオの中でも音の出所となるスピーカーの位置が良く分かった。

 スタッフに促され、席に置かれていたヘッドフォンを装着する。開放型ヘッドフォンなのでスタッフの声も聞こえるのだが、この状態でデモを再開するという。今回のような技術デモは密閉型を使って雑音をシャットアウトしたほうが良いと思うのだが……。

 同じ音源の再生が始まり、ちょっと戸惑った。今度はヘッドフォンを使うはずなのに、先ほどと同じスピーカーから音が出てしまっているようだ。スタッフが接続を間違えたと思い、ヘッドフォンを外すと、なんとスタジオ内に音は流れていなかった。

ゼンハイザーの「HD 238」

 これはちょっとした驚き。ごく普通のヘッドフォンを使っているのに、前後左右どころか高い位置にあるハイトスピーカーまで描き分け、さらにスピーカーとの距離感まで再現したのだから。ちなみに使用したヘッドフォンはゼンハイザーの「HD 238」で、念のために仕様を確認すると、約107グラムの軽量ボディーとふかふかのイヤーパッドが特長ながら、ダイナミック型ドライバーは左右に1つずつ。スタッフによると、「量販店で1つ50ドルで買ってきた、ごく普通のヘッドフォン」らしい。

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