オヤイデ(小柳出電気商会)の“Fiio”人気の火付け役、いやポータブルヘッドフォンアンプブームそのものの火付け役となったFiio「E7」の後継モデルとして、「E07K」が登場した。こちらの製品、新たなフラッグシップとして誕生した「E17」(名前が似ているのでちょっと分かりづらいが別モデル)のノウハウを投入、ミドルクラス製品としてのさらなる充実を図っているという。
さっそく、その詳細を見ていこう。
まずポータブルヘッドフォンアンプとしては、アンプの駆動力を強化。プリアンプに米Analog Deviceの「AD8692」、パワーアンプにTexas Instrumentsの「TPA6130A」を採用することで、出力が16オーム時に250ミリワット、32オームで220ミリワットへとスープアップ。32オームで約3倍のパワーアップを実現したことにより、高インピーダンスのヘッドフォンに十分な駆動力を獲得した。また、「E17」に搭載している「TREBLE」「BASS」の10段階調整機能も追加。左右バランス調整機能やホールドスイッチなども追加装備され、使い勝手についてもかなり改善されている様子。なお、「E7」のアピールポイントだったデュアル・ヘッドフォンアウトは引き続き採用されている。
一方、USB DAC機能としては、DACチップをWolfson製の「WM8740」に変更。先代の48kHz/16bit対応から最大96kHz/24bitへとグレードアップしているほか、音質的なクオリティーアップも成されているという。
これらの強化が施されつつ、価格は先代よりも抑えられているというのだから感心する。なかなか興味がひかれるモデルへと進化しているのは確かだ。
さて、ここからは実機を手にしてチェックを行っていこう。55(幅)×96(高さ)×15.5(厚さ)ミリという「E07K」のボディーサイズは、先代「E7」とまったく同じ。ヘアライン仕上げが施されたブラックメタリックのカラーも全く一緒だ。ただし、「E07K」は角がカットされたデザインとなったため、手に取ったときの感触はけっこう良くなっている。一方、ディスプレイまわりのクリア面がやや小さくなったため、外観上の見分けもすぐにつく。
意外とうれしいのが、付属品の充実ぶりだ。「E07K」にはシリコンカバーやキャリングポーチ、プレーヤーを固定するためのシリコンゴムバンド(2つ)、3.5ミリステレオミニケーブル(長さ約10センチ)などが付属しており、こだわりさえなければ、実際の使用時にはこれで十分といえる。このあたりは、さすがアクセサリーアイテムも手がけるFiioならではの心遣いといえる。
もうひとつ、うれしいポイントがある。先代「E7」でもそうだったが、この「E07K」でもiPad(+Camera Connection Kit)の外付けサウンドデバイスとして使用することができる。けっして多用する機能ではないが、いざというときに役立ちそうな、こういった機能性を保持し続けてくれているのは、ありがたいかぎりだ。
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