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» 2013年04月26日 10時00分 UPDATE

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」:ものすごく音が良くて、ありえないほど近くで観られる4Kテレビ――ソニー「KD-65X9200A」 (1/2)

この春から夏にかけ、4K液晶テレビが次々と登場する。その先陣を切ってソニーが発表した注目の4Kテレビ「KD-65X9200A」をチェックした。試聴ソフトは映画BD「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。

[山本浩司,ITmedia]

 この春から夏にかけ、国内テレビメーカー数社からハイビジョンの4倍の解像度(3840×2160ピクセル)を持つ4K液晶テレビが次々と登場する予定だ。その先陣を切って発表されたのがソニーの65V型と55V型、「KD-65X9200A」と「KD-55X9200A」だ。ここでは、発売前ながらその画質・音質が確認できたKD-65X9200Aのインプレッションをお伝えしたいと思う。

ts_monosugo02.jpg 「KD-65X9200A」

 当初の想定価格は、65V型で約75万円、55V型で約50万円。この数年、価格下落の一途を辿った大型テレビの店頭プライスタグを見慣れた目には高価に感じられるかもしれないが、両モデルの内容を子細に検討すると、十分納得できる価格だと筆者は思う。昨年秋に発売された84型4Kテレビの「KD-84X9000」の168万円という価格と比べれば、ますますその思いは強くなる。

 まず目をひくのが、画面両サイドに取り付けられたステレオ・スピーカー。画面の縦方向ほぼ中央、その左右に18ミリ径のソフトドーム・ツィーターが、その下に80ミリ径ウーファー、上部に磁気回路を持たない同口径のパッシブラジエーターが配置され、背面左右に70ミリ径のサブウーファーがビルトインされている。薄型テレビのデビュー間もない2000年頃には、こういう本格的なスピーカーを画面両サイドに配した製品が多かったが、狭ベゼルの画面下部に無理やりスピーカーを下向きに取り付けたインビジブル・タイプが主流となった昨今、スピーカーがドカーンと存在を主張する本機のスタイルは、多くの人に驚きの目で迎えられることだろう。

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 詳細は後述するが、この本格派スピーカーを搭載しているだけに、その音はきわめて真っ当。この両モデルが50〜70型クラスで今もっとも音のよいテレビであることは間違いない。本欄でも幾度となく近年の薄型大画面テレビの音のヒドさ、とりわけソニー製品の貧弱さを指摘してきたが、本機の音のよさが確認できたことは、筆者にとって実にうれしいことだった。

 採用されたパネルは倍速駆動のVAタイプ。バックライトは上下エッジ型で、エリア数は少ないながらもローカルディミング(部分減光)の手法を採り、コントラスト向上に意を注いでいる。また、上下のバックライトを瞬間的に順番にオン・オフする(ブリンキング)ことで映像の表示時間を4倍速(240コマ/秒)同等とし、速い動きの多いスポーツ番組などでも残像感を抱かせない工夫が採られている点にも注目だ(画面が暗くなるが、残像ゼロのインパルス・モードも引き続き採用されている)。

 2K(フルHD)→4K変換回路は、KD-84X9000で採用されたソニーオリジナルの「4K X Reality PRO」。しかし、アップコンバート後の超解像処理を複数枚処理にして、その完成度をKD-84X9000以上に高めているという。

ts_spectrum.jpg 米QD Visionの「Color IQ」は、ガラスの中に微細な半導体粒子を含む樹脂を封入して密閉した光学部品。特定の波長の光を当てると、純度の高い青、緑、赤が混合した白い光に変える

 もう1つ画質面で注目したいのは、色帯域拡大のための新技術「TRILIMINOS」(トリルミナス)の採用だ。これはアメリカのベンチャーQD Visionが開発した発光半導体技術を用いた光学部品を採用することで、より純度の高い3原色(RGB)が取り出せるバックライトを作りだし、最適化されたカラーフィルターとの組合せによって広色域を実現しようというもの。ソニーはこのトリルミナスカラーを撮影・再生・伝送規格として独自展開していくことを明言していて、ビデオカメラやデジタルカメラに採用していくほか、ソニーピクチャーズ製映画ブルーレイの "Mastered in 4K" 表示作品(今後登場予定)はこのトリルミナス色域に合せてマスタリングされるという。

 ちなみに、本機の映画再生用映像モード『シネマ』の色域の初期値は、ハイビジョンの標準色域であるBT.709の狭帯域設定になっているが、画質調整項目の「ライヴカラー」の調整値を「強」にすると、このトリルミナスカラーが忠実に再現できることになる。

 高解像度化とハイコントラスト化ばかりが進み、「豊かな色」へのアプローチが置き去りにされている印象が否めなかった液晶テレビの画質面の新展開として、このソニーの高色域化への取り組みを大いに評価したいと思う。

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