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» 2013年07月26日 12時07分 UPDATE

トランスコーダーを搭載、アイ・オー「HVL-ATシリーズ」のリモート視聴を試す (1/2)

「DTCP+」によるリモート視聴に対応したアイ・オー・データ機器の「RECBOX」。新製品の「HVL-ATシリーズ」は、通信速度に合わせて映像のサイズ/データレートを変換するトランスコーダーを搭載している。その使い勝手を検証していこう。

[久木四郎,ITmedia]

 アイ・オー・データ機器の「RECBOX」シリーズは、一言でいえば「録画用ハードディスク」だ。つまり、Blu-ray Discレコーダーなどとは異なり、チューナー機能は外部に依存する製品であり、一般の人にはなかなか詳しい役割を説明しづらい製品といえる。さらに、テレビに接続する録画用ハードディスクとしては、USBハードディスクを用いるという最も手軽な手法が主流になっており、いよいよ、その存在意義がよく分からないという見方もあるだろう。

 しかし、古くからテレビ番組の録画・再生環境の改善に勤しんできた人にとっては、この製品の前身ともいえる「Rec-POT」の時代も含めて、一度は購入、あるいは購入を検討したことがある製品に違いない。その理由は、どんどん不便になる一方の、日本におけるテレビ番組の録画/再生環境の隙間を埋めて(抜け穴を見つけて、ではない)、少し便利にしてくれる存在であり続けているからだ。

ts_iodata01.jpg 「RECBOX」シリーズの新製品「HVL-ATシリーズ」。価格は2Tバイトモデルで2万6400円、3Tバイトモデルは3万4900円、4Tバイトモデルが4万9800円となっている

 RECBOXの主な役割は、「DTCP-IP対応のDLNAサーバとして動作する」「スカパー!プレミアムサービス/光チューナーからLAN経由で直接録画できる(スカパー!プレミアムサービスLink)」「テレビ+USBハードディスクなどで録画した番組をDTCP-IP経由でムーブ/ダビングできる」「BDレコーダーなどへのムーブアウトに対応している」「RECBOX同士でムーブできる」ということ。これらを組み合わせることで、「録画した番組をずっと残したい」「番組再生の自由度・快適さを高めたい」という、ささやかな要求をいくらか満たしてくれるのだ。

 最新モデルとなる「HVL-ATシリーズ」でも、そうした「隙間を埋めて、少し便利にしてくれる」という部分は継続されている。新たに外出先から録画番組を、しかも実用的なレベルで観賞できるようになったのだ。インターネット越しで録画番組をリモート配信可能な「DTCP+」には、前モデルの「HVL-Aシリーズ」でも対応済みだったが、リモート配信時には回線速度が良好でも滑らかに再生できるコンテンツは1〜4Mbps程度とされており(UDP通信のため)、それ以下のビットレートに抑えられた長時間モードなどであらかじめ録画しておく必要があった。

 一方、「HVL-ATシリーズ」では、通信速度に合わせて映像のサイズ/データレートを変換するトランスコーダー「Smartplaying Engine」を新たに搭載したことで、事前処理を必要とせず、圧縮なしのDRモード録画、つまり20Mbps前後のビットレートのまま保存している番組でも快適に再生できるようにした。ちなみに、「HVL-Aシリーズ」でも、USBトランスコーダー「GV-TRC/USB」を追加することで、同等の機能を実現可能だ。

ts_iodata10.jpg 「HVL-Aシリーズ」でも、USBトランスコーダー「GV-TRC/USB」を追加することで、同等の機能を実現できる。希望小売価格は9500円

 さて、「HVL-ATシリーズ」を外出先から利用するためには、録画番組の確保、そして、対応再生機器の準備が必要となる。まず、前者に関しては、最も手っ取り早いのは、スカパー!プレミアムサービスLinkでの録画を主体的に行っている人だろう。この場合は、チューナー側の番組表を使って録画予約を行えば、「HVL-ATシリーズ」に直接録画され、しかも、録画が完了すれば、そのままリモート視聴を行うことが可能だ。

ts_iodata03.jpgts_iodata02.jpg 本体サイズは、約215(幅)×183(奥行き)×40(厚さ)ミリ。重量は約1.2キログラム

 また、もう1つの手段は、日常的に録画に利用しているテレビやBDレコーダーなどから「HVL-ATシリーズ」へ、あらかじめ番組を移しておくというもの。この場合、転送元機器の操作画面からムーブ操作を実行する以外に、「nasne」などのダウンロードムーブ対応機器から受け取る場合には「HVL-ATシリーズ」側で操作を行うことも可能だ。「HVL-ATシリーズ」はあくまでもネットワーク接続方式の録画用HDDであり、映像出力などは備えていないため、テレビ画面上での操作GUIなどは存在しない。そのため、ムーブ操作などはLAN内のPCやスマートフォンから、Webブラウザで「HVL-ATシリーズ」にアクセスし、Webページとして実現される「コンテンツ操作」画面上で行うことになる。

 ただ、これだけでは、いずれにせよ何らかの操作を行って、外出時に見たい番組をわざわざ選んで、ダビングしておくという面倒な流れになってしまう。そのため、救済策も用意されている。それが「自動ダウンロード設定」だ。先ほどのダウンロードムーブ機能を活用し、ムーブ送り出し側機器の指定フォルダを一定間隔で監視し、新しい番組が録画されたら、それを自動的にダウンロードムーブするというものだ。監視間隔を15分、30分、60分、120分から選べるほか、ダウンロード対象とする放送サービスの種別(地上デジタル/BS/CS/スカパー!プレミアム)、HD/SDの両方の解像度が存在する場合にどちらを優先するかといった条件も設定できる。また、ダウンロードムーブといっても基本的にはダビングで行うことになるが、ダビング10のコピーカウントが残り1の場合や、コピーワンス番組などはムーブとなってしまうため、その場合にはダウンロードを実行させないように設定することも可能だ。

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