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フラグシップの風格、ULTRASONE「edition12」を聴く野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2013年08月01日 19時08分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 5月の「春のヘッドフォン祭 2013」で発表され、翌月には販売が開始されたULTRASONE(ウルトラゾーン)の新フラッグシップモデル「edition12」。先日、10日ほど借用する機会に恵まれたので、詳細をレビューしよう。

ULTRASONEの「edition12」。国内ではタイムロードが扱っている

 そもそもULTRASONEは、1991年にミュンヘン郊外で創設されたヘッドフォンメーカー。メインとして展開しているのは「PRO」「Signature」シリーズなどプロフェッショナル向けのラインのようだが、同時にコンシューマー向けの高級モデル「edition8」シリーズにも力を入れており、なかでも「edition8」はヘッドフォン好きの間でも高い人気を誇る製品となっている。そんなULTRASONEから、新たに登場したフラッグシップモデルが、この「edition12」である。

 「edition12」は、密閉型の「edition8」とは異なり、開放型のハウジングを採用している。外観は、先に登場したスペシャルモデル「edition10」とほぼ同じ。蝶のようなハウジングデザインや、フィッティングを重視したスタイル、282グラムという音質重視の高級モデルとしては比較的軽量なボディー、低周波電磁波を98%低減する「ULE」テクノロジーなどは全く同じ。ただし、スペシャルモデルの「edition10」に対し、「edition12」はレギュラーモデルとして位置付けられているようで、40ミリ口径のドライバーはゴールドプレイテッド仕様(要するに金メッキ)を採用、イヤーパッドにベロアタイプを採用するなど、コストパフォーマンスという点でも注目される。

「edition10」(左)と密閉型ハウジングを持つ「edition8 Ruthenium」(右)。edition8にはカラーリングなどで複数のバリエーションがある

 とはいえ、ヘッドパッドはエチオピアン・シープスキンレザーが採用され、ケーブルも「edition10」と同じシルバープレイテッド(要するに銀メッキ)をチョイス。堂々“ハイエンドモデル”と言い切れる、ゴージャスな構成になっていることは確かだ。

アルミ製のハウジング部にはマットクローム処理が施されており、なかなかの高級感

 デザイン的にも、かなりの高級感が漂っている。アルミ製のハウジング部は、蝶のようなデザインに加えて、マットクローム処理が施されており、なかなかに上質。ケーブルのY時部分にもアルミ素材を採用するなど、細やかな部分まで質感に配慮されているあたりは、ULTRASONEならではの気遣いといえるだろう。

ベロア調のイヤーパッドとケーブル。細部まで上質に仕上げられている

 装着感も悪くない。ベロア調のイヤーパッドは、側圧がそれほど高くないこともあってか、長時間使用していてもけっこう快適だった。また、ハウジング部が比較的大型のため、イヤーパッドが耳に触ることもないところもいい。ハウジングが大型だと、バランスを崩して外れやすかったりする製品もあるが、「edition12」では、そういった不安定さもいっさい感じられなかった。

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