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スマートウォッチは生活を変えるのか? ソニーモバイル「SmartWatch2」を試す(前編)(1/2 ページ)

» 2013年11月01日 15時40分 公開
[久木四郎,ITmedia]

 これまで、腕時計はしない性分だった。小学生の頃に“計算機付き腕時計”なるものが発売された時には、リトラクタブルライト付きの自転車と同じくらい、少し「むむっ」とは思ったのだが、まあ、いずれもお小遣いで買えるものではなく、手は出さなかった。

 その後、高校受験の際に周りに腕時計は必須といわれ、「別に残り時間が分からなくても、問題なかろう」と思っていたのだが、最初のテストで「こりゃ、いかん……(汗)」と、安いカシオのデジタル腕時計を買いに走ったが、それを最後に腕時計とはとんと縁のない生活を送ってきた。アクセサリーの類であれ、何であれ、皮膚に接触するものは少し苦手というのが主な理由だろうが、気分的にも、「なんで、そんな時間程度しか分からないものを、わざわざ身に着けなければならんのか」と感じてしまうのかもしれない。

 しかし、ついに長いモノに腕を巻かれる時がやってきた。つまり、スマートウォッチなるものを常用してみようという気分になってしまったのである。

ソニーモバイルコミュニケーションズの「SmartWatch2 SW2」。国内販売価格は1万4800円

 今回購入したのは、ソニーモバイルコミュニケーションズの「SmartWatch2 SW2」である。この製品は10月25日に国内発売となったが、海外では先行して販売されており、それを個人輸入した。国内ではソニーモバイルの直販サイト「Xperia Store」で販売され、価格は1万4800円ということなので、海外からの送料も合わせると5000円弱ほど損をした勘定になるが、まあ、いたしかたない。

 スマートウォッチというカテゴリーに関しては、GoogleやAppleからもリリースされる可能性が高そうで、さらにSamsungは既に「Galaxy Gear」を発表済みだ。

Samsungの「Galaxy Gear」

 手持ちのスマートフォンは「Galaxy Note 2」がメインで、Wi-Fi運用で「Xperia ZL」も利用しているため、Galaxy Note 2が「Galaxy Gear」に対応するまで待ってもよかったのだが、いろいろと調べてみた結果、機能面で「SmartWatch2 SW2」のほうが自分の用途には合っていそうなので、この決断となった。もちろん、GoogleやAppleがどういう製品を出してくるのかには大いに興味があるし、注視していくつもりだが、現時点では、「SmartWatch2 SW2」には機能や操作周りに多少こなれない部分はあるものの(時々、反応が鈍かったり、フリーズすることもなくはない)、それを打ち消すほどの快適さと面白みを感じており、それなりに気に入っている。

バンドは付け替え可能

 「SmartWatch2 SW2」の形状は、ほぼ「正方形の板」という格好で、42(横)×41(縦)×9(厚さ)ミリというサイズになっている。実際に入手する前は、先ほどの腕の細さもあって、自分には少し大きめかもしれないと危惧(きぐ)していたが、実際にはまったく心配するほどではなかった。本体質量も約23.5グラムで、付属のリストバンド込みでも約48グラムと軽く、さらに防水(IPX7)・防塵(IP5X)対応なので、常用していても気になることはない。付属のリストバンドはブラックのシリコン製で、海外ではメタルバンドなどのバリエーションも展開されている。

背面(左)。通常はこのようにバックライトは消えている。しかし時間の確認は可能だ(右)

 バンドは通常の腕時計と同様の取り付け機構になっているため、サイズさえ合えば、自分で用意したバンドと交換することも可能だ。実際、試しに24ミリの時計バンドを購入し、自分で取り付けてみたところ、(用意した時計バンド側のバネ棒をはめ込む部分の周囲に厚みがあるため)若干苦労したが、問題なく交換できた。

5色のリストバンドを別売りで用意する

 画面は1.6インチ液晶ディスプレイ(220×176ピクセル)で、タッチパネルになっているため、操作ボタンの類は右側面に配置された電源ボタンのみとなる。また、左側面にはmicro USB端子が備えられているが、これは充電用だ。

 この「SmartWatch2 SW2」は、基本的に単体では動作しない。先ほどスマートフォンの話を出したため、お気づきいただけたと思うが、Bluetoothを介したスマートフォンとの連係が大前提となる。しかも、マイク、さらにはスピーカーも内蔵していないのだ。メール着信などの「通知」は穏やかなバイブによって行われ、また「通話」に関しては、着信通知や発信制御などを担うだけで、実際の通話処理は本体を用いることになる。音楽再生なども然り。とはいえ、実はここがミソでもあり、現時点での実用性という点では、むしろ理想的なスタイルだと感じる。「Galaxy Gear」のように腕時計に向かって話せれば、利用スタイルとしては非常に面白いのだが、快適に通話できるかどうかは、また別の問題だろう。

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