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» 2014年03月03日 18時46分 UPDATE

3匹が聴く!:付属イヤフォンからのステップアップに!――バイヤーズガイド2014年“春”(実売1万円以下編) (1/2)

価格帯別にオススメイヤフォンをピックアップし、耳の肥えた3人のレビュアーが横並び試聴を行うバイヤーズガイドの第2回。今回もコストパフォーマンスの高い製品がそろった。

[ITmedia]

 価格帯別にオススメイヤフォンをピックアップし、耳の肥えた3人のレビュアーが横並び試聴を行うバイヤーズガイドの第2回。今回は実売5000円〜1万円の製品を取り上げたい。

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 前回の5000円以下クラスを含め、1万円以下の製品はプレーヤー付属の標準イヤフォンからステップアップする際に、最初のターゲットとなりやすい価格帯。そこで本題に入る前に、イヤフォンの選び方と購入時に気をつけたいことについて、AVライターでレビュアーの1人でもある野村ケンジ氏に聞いた。

 「イヤフォン選びの基本は、やはり実際の音を聴いてみること。専門店や量販店では多くのサンプル機が並び、試聴できるようになっているので、自分の耳で聴いて判断することが一番です」。もう1つ、店頭でチェックして「事前の評判と印象が違うな」と感じたときは、個体の問題である可能性を考慮したいという。「例えば、出たばかりの新製品ならエージング不足の可能性、逆に登場してから年数が経っている場合は壊れていたりすることもあります。おかしいと感じたら、別のお店でチェックできるといいですね」(野村氏)。

 一方、近所にお店がなかったり、サンプル機を置いていないケースも多い。その場合は、やはりWebや雑誌の評判が参考になるが、ここにもちょっとしたコツがある。それは、よく聴く音楽ジャンルや音の傾向について、自分とフィーリングの近いレビュアーを見つけておくことだ。「例えばアニソン好きといわれるレビュアーの中でも、Tさんは高域、Nさんは低域を気にする傾向があるなど、それぞれの好みが記事にも反映されています。こうした部分も把握しておくと、レビュー記事もより深く楽しめるのではないでしょうか」(野村氏)。

 ――なるほど。そんなNさんを含む、今回のレビュアーは以下の3名だ。

レビュアー紹介

野村ケンジ(のむら けんじ)

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弊誌連載「ぶらんにゅ〜AV Review」でおなじみ、年間500本を超えるイヤフォン/ヘッドフォンを試聴・評価する気鋭のオーディオライター。某レーベルのアニソン・ハイレゾ配信を影で支えるスーパーバイザーでもある。


坂井香(さかい かおり)

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タレント/モデル/DJ/ヘッドフォン女子。DJ名「@KAOPANGw」(かおぱん)としても知られる。音大出身で特技はピアノ。一方、筋トレやマラソンが好きというアクティブな一面もあり、最近ついにフルマラソンを完走した。拍手。


滝田勝紀(たきた まさき)

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弊誌連載「白物家電、スゴイ技術」担当ライター。約10年間、某モノ雑誌編集部で白物家電やヘッドフォン担当として活躍した後、フリーランスに。「All About」では家電ガイドとして活動、「家電AWARD」の審査員も務める。



 今回チェックした製品は以下の7機種。なお、実勢売価については2月末時点のAmazon販売価格を参考にしている。

メーカー 製品名 再生周波数帯域 インピーダンス 感度 実売価格
東芝エルイートレーディング RZE-S70 5〜2万Hz 16オーム 100dB 7760円
オーディオテクニカ ATH-IM50 5〜2万5000Hz 10オーム 108dB 5680円
ファイナル Heaven II NA 16オーム 112dB 6750円
シュア SE215 Special Edition 21〜1万7500Hz 20オーム 107dB 9980円
CarotOne TITTA 20〜2万Hz 16オーム 100dB 8980円
AKG K374 10〜2万4000Hz 28オーム 104dB 5282円
日立マクセル MXH-DD600 20〜2万Hz 8オーム 100dB 5209円

東芝エルイートレーディング「RZE-S70」

ts_2sanbiki01.jpg 東芝エルイートレーディング「RZE-S70」

 東芝グループの東芝エルイートレーディングが昨年秋に投入した初のカナル型イヤフォン。往年のオーディオブランド「Aurex」(オーレックス:1970年代から80年代にかけ、東芝が手がけたオーディオブランド)の技術者が開発したという、往年のオーディオファンにはうれしい製品だ。

 構造もユニークで、高域用の5.8ミリ径ドライバーと低域用の13.6ミリドライバーを搭載した“デュアル・ドライバー方式”を採用。それぞれのドライバーに独立した共鳴チャンバーを設けている。コードには、絡みにくいファイバー被覆のファブリックケーブルを採用。イヤーピースはL/M/Sの3サイズを同梱(どうこん)している。カラーバリエーションは、ゴールドとシルバーの2色。

野村 ☆☆☆

ダイナミックドライバーをデュアルで積んでいるものの、サウンドクオリティーはそこそこ。サウンドバランスはフラットながら、何カ所かにディップが存在する。基礎体力はあるものの、全体的にはもう一歩頑張ってほしい。


坂井 ☆☆

絡みにくいY型ファブリックケーブルはスニーカーの紐っぽい。ただ、やや長さが中途半端かな。音がサラサラ通り抜けていき、印象にはあまり残らないかな。メッキでハウジングを派手に強調しているデザインも微妙。


滝田 ☆☆☆

シルバーよりもゴールドの方が、個人的にはエレガントさが強調されていて、見た目にもパンチがあって好き。デュアルドライバーで奏でられるサウンドは、微妙に低域寄りだが、どこかもやもや感が残る。惜しい。



オーディオテクニカ「ATH-IM50」

ts_2sanbiki02.jpg オーディオテクニカ「ATH-IM50」

 オーディオテクニカの「ATH-IM50」は、筒状のマウントに同じ方向に向けて固定された2つの8.8ミリ径ダイナミック型ドライバーが“同調”して動くという「デュアル・シンフォニックドライバー」構造のイヤフォンだ。スピーカーの技術を応用したもので、振動版の場所の違いに起因する歪みを抑える効果があるという。

 着脱式のコードはワイヤー入りで、“耳掛けスタイル”が可能。コード長は1.2メートル。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色を用意している。なお、ハウジングをアルミと硬質樹脂のハイブリッド構造とした上位モデル「ATH-IM70」もラインアップ。

野村 ☆☆☆☆

オーディオテクニカらしい思想がちゃんと見えるイヤフォン。ポップスやロックは特に聴いていて心地がいい。デザインは真っ黒でやや地味。イヤモニ的なイヤフォンが1本欲しい人にオススメ。値段が安い割にはいい音。


坂井 ☆☆☆☆

全体的には勢いのある音で元気がいい。印象としては、攻めて来る生真面目なドンシャリ。音量を大きめで聴くと、ちょっと粗さは出るものの、ノリノリで楽しめそう。耳が小さい女性でも、しっかりフィットし装着感は悪くない。


滝田 ☆☆☆☆

見た目は真っ黒で派手さはないものの、逆にそのぶん信頼感は高いかも。癖がなく、すべての音が前に出てくるような力強さがある。ポップスやロックなどにマッチした音作りか。疾走感のある打ち込み系などはドライブ感たっぷり。□□


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